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劇映画『孤独のグルメ』の撮影秘話「ロケをしたお店は3軒すべて実在、俳優じゃなくご本人に出演をお願いしていた」

日刊SPA! / 2025年1月9日 15時51分

松重:パタンはおいしかったけど、ニンニクが3日くらい残りました。僕はドラマロケの翌日、大河ドラマ『八重の桜』で死ぬシーンの撮影があったんですよ。ニンニク臭いのに、綾瀬はるかちゃんとかが僕に顔を近づけて泣くわけです。ニンニクのニオイを嗅がせたら、演技が止まっちゃうなと思って息止めてました。なので、パタンを食べるときは翌日からの予定を確認したほうがいい(笑)。

◆ふたりが偶然出会う店「波長が合ってきた」

──松重さんも久住さんも、放送後の混雑を避けるために、撮影後すぐにお店に伺うこともあると聞きました。偶然出会ったことはありますか。

松重:ありましたね。家族で行ったら、あとから久住さんが来たんですよ。

久住:あー! あれは最高でしたね。お互い「なんでいるの?」って(笑)。

松重:リピートしたお店で久住さんの話を聞くこともありますよ。「朝まで飲んだらしい」みたいな(笑)。

久住:どこですか?

松重:「居酒屋 舞子」(鳥取)。

久住:あー、朝までは飲んでないけど、ベロベロになった。

松重:あそこはうまいですよね。かに面がやばいですよ。これ原価割れしてますから。かに面作るためにおばちゃんを2人雇ってるらしいんです。しかし、最近すごく店探しの波長が久住さんと合うんですよ。店探しのセンサーが、『孤独のグルメ』的になってきた。

久住:10年以上やって、何軒のお店に行ったんだろう。

松重:お店選びの探知機を久住さんから植えつけられていますから(笑)。今回の映画の舞台であるパリでも韓国でも五島列島でも「ここだ!」ってピンと来るんですよ。

久住:映画で登場するお店は、どこも実によかったです。

松重:ロケをしたお店は3軒あって、すべて実在するお店なんですが、そこもスタッフと一緒に見つけました。佇まいやメニューはもちろん、お店の方込みでいいんですよ。なので、店員さんをエキストラさんや俳優さんにやってほしくなくて、全部ご本人に出演をお願いしたんです。

久住:ほんとに!? みんな最高でしたよ!

松重:皆さん演技が想像以上に素晴らしかった。パリのマダムなんて、どこの俳優だよって感じで。カトリーヌ・ドヌーヴかと思いました(笑)。

久住:知る人ぞ知る実力派人気女優さんかと思った。

松重:五島の食堂のおばちゃんも、最初は「うち、そういうのイヤだよ。芝居なんてやったことないし」って言ってたけど、説明台詞なんて立て板に水で話しますから。あまりにいい演技なので2カット撮りましたからね。

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