『べらぼう』歴代最低視聴率でも「面白い大河になる」予感。綾瀬はるかの“スマホ”は序の口、ハズレなし脚本家の狙いとは
日刊SPA! / 2025年1月12日 15時51分
よしながふみ氏(53)の漫画を原作にした『大奥』は放送文化基金賞の優秀賞などに輝いた。男女逆転の世界を舞台とする難しい作品だったものの、森下氏は難なく書き上げた。今回もデリケートな問題が絡む吉原が舞台になるので、脚本執筆は簡単ではないだろうが、挫折することはないはず。ちなみに制作チームは『大奥』と一緒である。
◆第1回のストーリーをさくっと振り返る
第1回は吉原も火の海に包まれた明和の大火(1772年)から始まり、蔦重が7歳のときに親から捨てられたことや駿河屋市右衡門(高橋克実)に拾われたことが説明され、のちに火付盗賊改方になる長谷川平蔵(中村隼人)と蔦重の出会いや田沼への請願などが描かれた。これだけのエピソードを無理なく1時間に収めたのだから、その構成力は傑出している。
田沼への請願では警動を求めた。幕府公認の吉原以外にも品川、内藤新宿、千住などにあった女郎屋を取り締まってほしいと頼んだのである。そうすれば吉原に来る客が増えると考えた。
この男は人のために生きようとしているらしい。明和の大火でも女郎たちの救助に奔走した。のちに浮世絵師の喜多川歌麿や東洲斎写楽らを見出し、その作品を世に広めたが、大衆を楽しませるためだったと考えれば、矛盾しない。蔦重を魅力的な人物に見せようとする森下氏のたくらみの第一歩は成功だろう。
もっとも、田沼への請願は失敗に終わった。田沼は吉原以外の女郎屋が潰れることを憂慮。一方で吉原に客が来ないのは工夫が足りないからだと諭される。これが蔦重にとって値千金の助言となる。第2回以降でPR作戦を始めるつもりだ。
◆今後注目の俳優、そして展開は?
女郎、女郎屋の女将による恋愛、戦い、友情も見ものである。まず蔦重の幼なじみで花魁・花の井(小芝風花)に注目だ。売れっ子である。やはり花魁の松の井(久保田紗友)は面倒見がよく、蔦重にとって頼りになる存在となる。さらに花魁に次ぐ座敷待ちの立場のうつせみ(小野花梨)が登場する。 松葉屋に所属し、自分専用の座敷を2部屋持っていた。テレビ東京『初恋、ざらり』(2023年)などで知られる小野は純情派のイメージが色濃いが、今回はどうなるか。
女郎屋などの女将は既婚者なので、眉を剃っていた。そのうえ化粧が濃いため、ちょっと区別が付きにくいが、大黒屋の女将はりつ(安達祐実)。肝が据わっている。
うつせみが所属する松葉屋の女将はいね(水野美紀)。元花魁である。蔦重の養母で駿河屋の女将はふじ(飯島直子)。飯島はデビュー33年にして時代劇も大河も初出演となる。
ほかにも見どころは多い。その1つは徳川幕府内の暗闘。財政がピンチに陥り、改革を迫られ、田沼が先頭に立つものの、周囲は協力してくれるのか。田沼は足軽の家の生まれで、それが泣き所になっていた。ここでも格差社会なのである。
<文/高堀冬彦>
【高堀冬彦】
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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