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東京大学の学食は「早い、高い、おいしくない…」現役学生のホンネ。それでも「行くしかない」切実な事情が

日刊SPA! / 2025年1月12日 15時53分

◆「カレーらしい」ばかりで偽物感がぬぐえない

 問題は、量だけにとどまらない。味のクオリティが令和とは思えないほどに低いのだ。このクラスのカレーに言うのもお門違いかもしれないが、スパイスの風味などまったくしない。

 ドロッとしたルーには、おそらく小麦粉がたっぷり練りこまれているのか、粘性ばかりが高く、それでいてコクがない。カレーの風味は感じるが、「カレーらしい」ばかりで、どこか偽物感がぬぐえない。

 また、後味が非常に悪く、飲み込んだ直後には、舌の上に茶渋を含んだ時のような、何とも言えないえぐみ、苦みが広がる。正直に言って、おいしくはない。

 外食チェーンのカレーは、東大カレーより100円~200円程度高いが、400円、500円クラスのカレーでも十分においしいルーが提供される。30年、40年前ならいざ知らず、令和を生き抜けるほど、東大カレーは洗練されていない。

◆「おいしくない」のに選ばれ続ける理由

 普通ならば、ここまでおいしくない店は消費者から選ばれない。市場競争の原理にのっとって消え去りゆく定めだ。だが、いまだに残り続けているのは、ひとえに「キャンパス内で食べられるから」に他ならない。

 東京大学の授業スケジュールは、他大学と比べても休憩時間が短い。授業間の休み時間はわずか10分。昼の長い休みも50分しかない。この短時間に、東大中の学生が近隣の食べ物屋に殺到する。

 当然、レストラン1つや2つでは収容できないが、特に駒場キャンパスの周りには飲食店が少なく、外に食べに行く時間がない。だからこそ、まずくて割高感があっても、「すぐに食べられる」一点で学食が選ばれ続けているのだ。

 だが、これは積極的ではなく消極的な支持によるもの。おいしくはないのだ。食事のクオリティより授業への出席を取る合理的思考によって成り立っているこの均衡は、明らかに東大生たちの胃袋事情が軽視されている。

 東大は日本でもトップの大学だ。だからこそ、学生をサポートする環境も日本トップクラスであってほしいと願うのは、不自然なことだろうか? 

 オープンキャンパスに行きたいと話す高校生に「学食のおすすめメニュー」を聞かれた時のやるせない気持ちを、わかってほしい。

 東大生協には、「日本トップクラス」を支えるプライドが残っているのだろうか。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

―[貧困東大生・布施川天馬]―

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