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「高価な家電は使うな」移住先の“謎ルール”に困惑した32歳女性「ドラム式洗濯機や42型以上のテレビ」がNG。破った結果…

日刊SPA! / 2025年1月16日 15時51分

 ずいぶんと昭和なご様子だ。

「昭和も昭和ですよ。嫁いできた女性は強制参加ですし、数ヶ月はお酌し続けるのが当たり前ですからね。さすがに触ってきたりはしませんけど。今の時代、東京ってそういう文化がほとんどないじゃないですか。パワハラもセクハラも、社内の飲み会だってないところも多いし。田舎は二十年以上遅れてますね」

 そんな橋本さんは集まりに参加するとき必ず上下ジャージで行くという。

「色気ゼロにしておかないと、勘違いされるんですよ。結婚してるのわかってて口説いてくる人もいるし、年上のお姉様方たちの視線もあるので」

◆高価な家電を持っていると、標的になる

 そのような飲み会だけでも厄介だが、それはほんの一部だという。

「他にも変なルールがたくさんあるんですよ。特に変だと感じたのは、家電に関してのルールです。うちの町内会では高価な家電は買っちゃいけないことになっているんです。リビングに置くテレビは42型以上はだめ。洗濯機はドラム式はダメ。そういうルールがあるんですよ。自宅の、ですよ。おかしくないですか?」

 自宅の家電で? それがルールになっているのはどういう理由があるのだろうか。

「わかりません。これはルールというか、そうした方がいいよっていうアドバイスなんですけどね。私たちが引っ越してきてすぐ、町内会の先輩夫婦にそう言われたんです。小さなコミュニティだから目立っちゃダメだって。高価な家電を持ってると、標的になるからって。私にアドバイスをくれた人も東京から引っ越してきた夫婦でした」

 その忠告を無視し、橋本さんは東京にいたときに使っていたドラム式洗濯機を、誰にも言わずそのまま使っていた。しかし、そのことはすぐ町内に知れ渡ってしまったという。

「水道屋さんが言ったらしいんですよ。冬場に水道管が凍ってしまったとき、見てもらったんですよね。それから一週間も経たないうちに会長の奥さんに言われました。『あなたのとこ、お高い洗濯機使ってるのね』って。使うな、とは言わないんですよ。嫌味ったらしく言ってくるんです。私も腹が立って、便利だから買った方がいいですよって言ったんです。そしたらお祭りの実行委員っていう、すごく面倒な当番を任されまして」

◆絶えず監視されている気が…

 橋本さんはそれらの閉鎖的ルールと対人関係がストレスとなり、旦那さんともよく喧嘩になったという。

「都会で暮らしているときは喧嘩なんてほとんどなかったんです。でも旦那の両親が近くで暮らしていて、旦那の職場の人や友達だってそこらにいるんですよ。絶えず監視されている気がして、ストレスは溜まる一方なんですよね」

 相談する友人もいないため、ストレスの吐口はSNSだという。

「褒められることはではないんでしょうけど、SNSに田舎の愚痴を書くと共感してくれる人がたくさんいるんです。『私も同じです』って言ってもらえると、なぜか頑張れちゃうというか、救われてる自分がいますね。でも町内の誰かにバレたらとんでもないことになりそうです。役員を任されるとか、そんなレベルじゃないですね。もっとひどい嫌がらせを受けそうです」

 一年ほどで田舎暮らしに見切りをつけた橋本さんは、今では月の半分を東京の実家で暮らしているという。

「田舎が悪い、とは思いません。でも引っ越す前に必ず調べてほしいですね。私は今のどっちつかずの状況が一番いいと思っています。属するというのは、ある種の病みたいなものなので」

 憧れと現実は、少しばかり違うようだ。
 
<TEXT/山田ぱんつ>

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