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パチスロ機は「1時間当たりの投資額」が圧倒的に高い…タイパを重視する“20~30代の若者”がハマるワケ

日刊SPA! / 2025年1月16日 8時53分

◆「1時間当たりの投資額」が圧倒的に高いパチスロ機

 ダイコク電機はパチンコ機・パチスロ機の稼働状況を調査しています(「DK-SISデータから読み取る市場の現状と今後」)。それによると、2024年9月における20円パチスロのアウト(遊技機1台あたり1日に投入されたメダルの枚数・発射された玉数の平均)は8470枚。4円パチンコは1万900個。つまり、パチスロは1日平均で16万9000円、パチンコは4万3000円あまりが投じられていることになります。

 1台当たりの遊技時間はパチンコが2時間50分、パチスロが3時間50分ほど。この数字をもとに、1時間当たりの平均利用金額を計算すると、パチスロは4万5000円、パチンコが1万5000円となります。

◆還元率はほぼ同じではあるものの…

 次に台粗利を見ると、20円パチスロは2890円で、4円パチンコは3350円。台粗利とは、1台の遊技機が1日で稼ぐ粗利。つまり、遊技者に還元した後の利益を表します。この数字だけを見ると、台粗利が低いパチスロは還元率が高いように錯覚します。

 しかし、実際は異なります。パチスロのコイン1枚当たりの粗利は0.34円。パチンコは0.31円。ほとんど変わらないのです。つまり、還元率はほぼ同じだということになります(パチンコ・パチスロの還元率は85%程度だと言われています)。台粗利に違いが生じるのは、パチスロの方が稼働しやすい(遊技者が1日あたり使う金額の総量が多い)ためでしょう。

 それではここまでの数字で何が言えるのか。すなわち、パチスロは時間あたりのコストパフォーマンスに優れているということです。

 還元率はほぼ同じ遊技台に対して、パチスロは1時間当たり4万5000円、パチンコは1万5000円投じることができました。仮に還元率が85%だとすると、パチスロは3万8000円、パチンコは1万3000円程度の還元に期待ができることになります。

 つまり、パチスロはタイパが良いのです。

◆タイパを重視する20~30代の若者たちに刺さっている?

 全日本遊技事業協同組合連合会の調査(「ファンに対するアンケート調査」)によると、パチスロファンは20代と30代で50.8%を占めます。一方、パチンコファンは38.6%で、4割にも届いていません。

 タイパを重視するのは年齢の若い層。特に20代、30代に顕著で、ショート動画や切り抜き動画の視聴率、動画のネタバレ事前チェックの比率が高い世代として知られています。

 時代はパチンコからパチスロへ。総粗利においては、パチンコが3000億円上回っているものの、パチスロは市場の復調が鮮明になってきました。将来的には規模が逆転する可能性もあります。これはパチンコホールにとっては朗報。パチスロ市場が拡大すれば遊技者数の減少を食い止めることができるためです。

 パチンコ業界が大きく変わろうとするタイミングが訪れたように見えます。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

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