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「麻雀したら1時間で10万円が溶けた」歌舞伎町に“摘発直前の隠れ高レート雀荘”が急増している理由

日刊SPA! / 2025年1月18日 8時54分

◆法務省刑事局の公式見解を“お墨付き”と解釈した雀荘業界

 そもそも雀荘業界には、「点ピンまでは大丈夫(摘発されない)」という暗黙の了解が存在してきた。ギャンブル誌のライターが背景を解説する。

「雀荘で賭博が行われていることは、業界のみならず世間一般、警察からしても『公然の秘密』です。とはいえ、’98年に漫画家の蛭子能収氏が1000点200円の『点リャンピン』で逮捕されたように、点リャンピンと点ピンが摘発のボーダーラインと考えられてきました。

 それを決定づけたのが、’20年に黒川弘務・元東京高検検事長が罰金刑を受けた点ピンの賭け麻雀事件。法務省刑事局が『(点ピンは)必ずしも高くない』との公式見解を示したことで、雀荘業界はこれを『お上のお墨付き』と捉え、より堂々と点ピン営業ができるようになった」

 もちろん、レートにかかわらず賭博行為は厳密には違法だ。点ピンやそれ以下のレートであっても、数年に一度はどこかの店が“見せしめ”のように摘発を受けている。

◆独自ルール導入による過激化に、コロナ禍が拍車をかけた

 しかし、現在の歌舞伎町で増えているのは、そんな従来の認識すら無視した実質的な高レート麻雀。なぜこのような事態が起きているのか。

「転換期となったのは’17年。それまで歌舞伎町の雀荘はできるだけ目立たないよう全店ほぼ同じルールで統一されていました。

 しかし’17年に『〇勝戦』というイベントを歌舞伎町で導入する店が出始めた。これは〇勝した人に店が賞金を出すというもので、それ以降、独自ルールによる各店の差別化が激しくなっていったんです。

 なかには賞金5万円の5勝戦を一日5回開催し、総額25万円が動くイベントも行われて、来店客の行列ができて整理券が配られることがあったほどです」(ギャンブルライター)

 そうした雀荘過激化の流れに拍車をかけたのが、新型コロナの流行だ。

「飲食サービス業に休業要請が出されましたが、一部の雀荘は営業を続行。それによってさらに“濃いギャンブラー”が集うようになり、どさくさに紛れてルールもどんどん過激になりました。

 そもそも歌舞伎町は、ほかのギャンブルとの集客競争が激しい地域。オンラインカジノなどと比べれば麻雀は時間もかかるし、1半荘で動くお金にも限りがあります。そのため、より射幸性を高めないと引きになりません。その結果、いまや一晩で40万、50万円負けて当然のようなレートにまで発展したわけです」(ギャンブルライター)

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