【広岡達朗】メジャー帰りの選手を甘やかすな。複数年契約なら「基本給+完全出来高払い」であるべき理由
日刊SPA! / 2025年1月25日 15時52分
問題はその松坂が、その後ソフトバンクで1年、中日で2年、西武で1年の計4年間で6勝しかしていないことだ。ちなみに松坂の通算勝利数は日本で114、大リーグで56の計170勝だが、私が驚いたのはソフトバンクが松坂入団の翌2016年、大リーグ・カブスでの2年間で5勝5敗の元エース・和田毅を3年契約+出来高払いで復帰させたことだ。
和田は復帰後いきなり15勝したが、その後は故障で1ケタ勝利が続き、一時はマウンドに立てないこともあった。
◆「巨人が獲得した複数年契約選手」の大半が…
アメリカ帰りの有力選手は数えきれないほどいるが、私が同じように「間違っている」と思うのは、FA移籍選手たちの複数年契約だ。
有力なFAの複数年選手を集めて戦力補強する流行を作ったのは巨人で、その第1号が1993年末の落合だった。報道によると、三冠王3度の落合は複数球団と競合の末、年俸約4億円の2年契約で中日から移籍した。
その後、2019年のFA市場の目玉だった広島の丸が5年契約総額25億5000万円で巨人に移籍するまで、FAで巨人に移籍した選手は26人(2023年末時点では28人)。そのほとんどが複数年契約だった。
巨人が獲得した複数年契約選手の中には、大半を二軍で過ごし、契約に見合う活躍をしないまま退団した者も多い。たとえば2016年末に日本ハムから5年総額15億円で移籍した陽岱鋼は5年目の2021年、7試合に出場しただけで退団した。その後、アメリカの独立リーグでプレーしたが、2024年にNPB(日本野球機構)のイースタン・リーグに新規参入したオイシックス新潟に入団
した。
すでに述べたように、2024年シーズンのソフトバンクが近藤、山川の連続FA効果によってパ・リーグを独走したからといって、複数年契約が正当化できるわけではない。
<TEXT/広岡達朗>
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