巨人が“大型補強したシーズン”を振り返る…「ラミレス、クル-ン入団」の2008年は稀に見る成功例だが、大失敗した年も
日刊SPA! / 2025年1月30日 15時52分
また、炭谷の加入により、捕手3人体制としたことが功を奏したシーズンでもあった。正捕手である小林誠司、一塁手と兼任で左投手を上手くリードできる大城卓三、そして炭谷。この3人を投手との相性で臨機応変に使い分けた。また、負担も分散されたことにより、パフォーマンスを低下させることなくシーズンを終えられた。
◆【失敗①:2017年】補強選手含め、大きく歯車が狂った
高橋由伸政権の初年度である2016年は、2位に終わった。翌年に備えて球界史上初の「トリプルFA補強」を敢行し、山口俊や森福允彦、陽岱鋼を獲得。
だが、陽はキャンプ中の故障で出遅れる。後半戦になってから1番に定着したが、日本ハム時代と比較すると物足りない成績。
森福は、得意の左打者に通用せず、精彩を欠く結果に終わった。きわめつけは、泥酔したうえ暴行騒動を起こしたのが山口俊。これでは、Bクラスに終わるのも納得の体たらくである。
ただ、補足すると山口俊は、翌2019年に最多勝、最多奪三振、最高勝率に輝き、リーグ優勝に大きく貢献した。
◆【失敗②:2015年】補強選手が噛み合わなかった
リーグ3連覇後の2015年。原辰徳監督第二次政権の最終年に獲得したのは、相川亮二と金城龍彦。
金城は、古巣のベイスターズ戦で本塁打を放つなど、春先には気を吐いていた。しかし、その後は主軸の長野久義はもちろん、亀井善行や当時若手の橋本到、立岡宗一郎との競争に敗れ、シーズンのほとんどを2軍生活で過ごした。
小林と正捕手を争っていた相川は4月に右太ももの肉離れ、7月末に左手首を骨折するなど故障に泣かされた。捕手別の防御率を見ても、適応に苦しんだ様子がうかがえる。
小林:56試合:防御率2.53
阿部:23試合:防御率1.89
相川:31試合:防御率3.38
◆【失敗③:2021年】投打のベテランを獲得も機能せず
時代の変化もあり、巨人へ移籍する大物選手は少なくなった。2020年オフは山田哲人(現・東京ヤクルトスワローズ)に振られ、梶谷隆幸と井納翔一を獲得した。
だが、梶谷は、開幕してすぐは好調を維持するも、怪我に苦しみ続ける1年になった。井納は開幕ローテーションこそ勝ち取ったが、安定感がなく、すぐに2軍に降格した。
この両選手は選手としてのピークが過ぎており、ほとんど機能しなかった。
◆巨人に移籍した数年後に活躍するケースも
山口俊のように移籍して数年後に活躍するパターンもある。2019年にリリーバーの軸として開花した大竹寛も、カムバックした1人。移籍1年目は先発ローテーションで9勝を挙げたものの、それ以降は年齢的な衰えもあり、結果を残せていなかった。
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