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「普段はできるだけ優しくする」「彼は私がいなかったらすぐに刑務所行き」女性に体を売らせる男の“心を縛る”悪質手口

日刊SPA! / 2025年2月11日 15時54分

 ホストクラブの売掛金を払うため売春する女性も少なくない。一昨年までホストをしていた坂口恭二(仮名・37歳)は、「女性に売春を促したことはない」と主張するが……。

「今は売り掛けができなくなったのもあり、自発的に売春やパパ活で現金をつくってくるコが圧倒的に多いんですよ」

 ただ、色恋営業の際は「いざとなったら体を売れそうかどうか」を見ていたという。

「カネを回収するためのリスク管理です。年齢が低く、家庭環境が悪ければさらにいい」

 売掛金を払えなくなった女性には暴言ではなく、「『◯◯ちゃんが頑張ってくれてるのを思うと俺も頑張れる』という接し方をしていた」という。売春しているのを知っても、我関せずを貫くそうだ。

「女次第で一夜にしてナンバーワンになれる世界。大金を持ってきてくれる客に『もう売春はやめなよ』なんて言うヤツはいませんよ(笑)」

◆自分の“女房”すら売春で稼がせる

 売春の強要は若い男だけの話ではない。田辺辰雄(仮名・54歳)は漫画喫茶で寝泊まりしていた山田美代子さん(仮名・42歳)を5年前からアパートに住まわせ、内縁関係を結んでいる。

 二人同席で話を聞くと、覚醒剤の売人である田辺の顧客には薬物を使用する性行為をしたがる者も多く、その要望に応えるため山田さんに売春をさせているという。

「相手にするのは月に4〜5人。薬代に1万円から1万5000円を買春代として上乗せするんだよ」(田辺)

 山田さんには一回につき3000円の小遣いが与えられ、掃除、洗濯、炊事、そして田辺氏が仕入れてきた覚醒剤を秤を使って小分けにするなどの仕事をする。

 彼女がかいがいしく働くのは、「覚醒剤が欲しいから」という理由である。

 しかし家にあるクスリに勝手に手をつけたら、田辺から骨折するほどの暴力を受ける。

 田辺は「ここを追い出されたら行くとこねえだろ」、「誰がお前みたいなホームレス女を拾ってやったと思ってるんだ」と怒鳴っては殴りつけるのだ。

◆もはや「ストックホルム症候群」状態にしか見えない

 しかし、山田さんは笑いながら「もう一蓮托生で、戦友みたいなもんです」と話す。

 記者が山田さんに売春はツラくないかと尋ねると、「クスリがあるから平気だけど、切れそうになると泣き叫びたくなる。家で大暴れすることもあるけど、そのたびに彼が優しく抱きしめてくれて耳元で『今日は寿司食おうか。焼き肉のほうがいいか』って囁くからズルいんですよ」と話す。

 田辺も、「体を売らせてることで引け目もあってね。普段はできるだけ優しくして、マッサージとかもしてやってる。クスリを届けるときは特に仲良さそうに振る舞うんだ。ユニクロの袋とか持ってさ。男一人で歩くより職質されないから」と合いの手を入れる。

 暴力と甘言を使い分け、山田さんを操る田辺。山田さんは反抗したり、逃げようとするどころか、「彼は社会生活がまったくできないので、私がいなかったらすぐに刑務所行きになる。力を合わせて頑張りたい」と話す。

 恐怖で抑圧する、共犯関係をつくる、売春は自らの意思であるかのように錯覚させる……。体よりも先に心を縛るのが、彼らの手口なのだ。

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[売春強要する男]の卑劣な実態]―

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