ドジャース大谷翔平 8日から注目のWS「前哨戦」 ヤ軍と合わせMVP5人 指揮官「素晴らしい3連戦」

初回の第1打席で右前打を放つ大谷翔平（ロイター）

　◇ナ・リーグ　ドジャース11－7パイレーツ（2024年6月6日　ピッツバーグ）

　ドジャース・大谷翔平投手（29）は6日（日本時間7日）、パイレーツ戦で6打数1安打。3試合連続安打の一方で今季3度目の1試合3三振を喫するも、チームは白星で連敗を2で止めた。7日（同8日）からは敵地ニューヨークで今季唯一の対戦となるヤンキース3連戦。両軍合わせて5人のMVP受賞経験選手が集結する、東西名門球団のマッチアップに臨む。

　パイレーツ戦を終えた大谷は、ピッツバーグから次なる決戦の地・ニューヨークへと向かった。エンゼルス時代の昨季まで、ヤンキースタジアムでは13試合で4本塁打。ただ、ドジャースの一員として初めて臨む今季は意味が違う。ワールドシリーズ「前哨戦」となる可能性もある注目の対決になる。

　ベッツが左前打した初回無死一塁。大谷の右翼ライナーは、一度はオリバレスのグラブに収まったとされたが、リプレー検証で判定が覆って安打に。続くフリーマンが先制3ランし、1～3番のMVPトリオで得点を奪うなど連敗を止めた。ニューヨークでは、ジャッジ、スタントンと2人のMVP受賞者が待ち構える。特にジャッジは5月にヤ軍史上初の月間14本塁打など、両リーグトップの21本塁打と絶好調。大谷とは昨年まで毎年、ア・リーグMVP争いを展開した宿命のライバルだ。デーブ・ロバーツ監督も「両チームにはスーパースターがそろっていて、我々には翔平もいる。素晴らしい3連戦になると思う」と強調した。

　ヤンキースタジアムでのド軍戦は16年9月以来8年ぶり。昨季は大谷とジャッジのコラボTシャツが発売され、今季は2人のボブルヘッド（首振り人形）が売り出された。3試合とも全米中継予定で、注目度は抜群だ。ロバーツ監督も「もちろん特別な試合だ。ドジャースは（ニューヨークの）ブルックリンにいた歴史もある」と意気込む。ヤ軍はこの日、ツインズに勝ち今季最長の8連勝。勝率・703は両リーグトップで唯一、7割を超える。MVPコンビ以外にも今季加入したソトも好調。この日、左前腕の張りで途中交代したがリーグトップの打率・318、同4位タイの17本塁打と、メジャー屈指のタレント対決となる。

　ワールドシリーズでは11度対戦し、ヤ軍の8勝3敗。今年10月、12度目の対決があるのか。大谷VSジャッジ。摩天楼の地で東西の名門球団が激突する。

　▽ドジャースとニューヨーク　球団創設は1883年でブルックリン地区に誕生。球団名の「dodge」は「よける」の意味で、同地区では路面電車をよける住民が多かったことに由来する。球場の老朽化に伴う新球場の建設が難航し、1958年に西海岸のロサンゼルスに移転した。移転後もヤンキースとのライバル関係は続き、ワールドシリーズは計11度対戦し、ヤ軍が8度、ド軍が3度制覇。両球団のレギュラーシーズンでの対戦は97年の交流戦開始以降、27年間で6度しか組まれなかったが、昨年の改編により、毎年1カード対戦することになった。ポストシーズン含む通算成績はヤ軍の47勝38敗。

《パ軍OBクレメンテのバット大谷に贈呈》

　○…パイレーツ戦を前にパ軍OBで通算3000安打の殿堂入り選手、ロベルト・クレメンテのレプリカバットが大谷に贈呈された。ピッツバーグの「クレメンテ博物館」から贈られたもので、クレメンテの背番号21と大谷の名前が刻まれた。72年に地震被害を受けたニカラグアへ救援物資を運搬するチャーター機の墜落事故で38歳で死去。慈善活動を精力的に行う大リーガーには毎年「ロベルト・クレメンテ賞」が贈られる。