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【内田雅也の追球】初球痛打の原因は?

スポニチアネックス / 2024年6月12日 8時3分

<オ・神>5回、頓宮に先制の適時二塁打を浴びた村上(撮影・後藤 大輝)

 ◇交流戦 阪神0-4オリックス(2024年6月11日 京セラD)

 カウント別の打者平均打率で古今東西、最も高打率なのは初球だった。過去形で書いたのは近年、1ボール―0ストライクなどにトップの座を譲っているからだが、それでも初球が高打率なのは間違いない。

 バッテリーは慎重を要する。かといって、ボールから入れば、カウントを悪くして投球が苦しくなる。頃合いが難しい。

 この夜、阪神先発・村上頌樹は初球に2本の適時打を浴びた。

 投手戦。0―0均衡が破れたのは5回裏。2死三塁、頓宮裕真への初球カッターが高く浮いて、右中間へ先制二塁打を浴びた。6回裏1死一、三塁で西川龍馬に浴びた右前適時打も初球。外角直球を引っ張られた。

 この夜の初球成績は打者7人、6打数3安打(他に犠打1)。今季通算で35打数11安打、被打率3割1分4厘となった。

 村上は今季、何度か初球に泣いている。5月21日の広島戦(マツダ)では秋山翔吾らに初球に痛打を浴び、監督・岡田彰布は「初球の入り方や。同じことの繰り返しやな」と指摘していた。

 <実は0―0のカウントは投手が不利なカウントなのである>とかつて阪神の名物スコアラーだった三宅博が著書『虎の007 スコアラー室から見た阪神タイガースの戦略』(角川マガジンズ)に書いていた。<観察することができないので打者の狙いが読みづらい>。そして<初球は思い切った決め打ちをしてくるものと考えておく>。

 ならば、どうすればいいのか。野村克也は<初球は難しい>と『野球論集成』(徳間書店)で記したうえ<慎重かつ大胆に入るべきだ>としていた。この大胆・慎重という投球もわかったようでわかりづらい。野村は捕手としてリードや配球で相手打者を封じることができると信じていた。

 だが、今の村上が初球にやられているのは配球や制球ミスの問題だろうか。記者席から見て思うのは、昨季は同じ初球に同じ球を同じ所に投げても、打者はファウルや凡打と打ち損じていた気がする。スピードガンの数字は同じでも回転数や回転軸が異なるかもしれない。テイクバックや腕の振り、左肩の開き具合……などで打者の投球の見え方も違ってくる。

 最優秀選手(MVP)に輝いた昨季と何かが違うのだろう。これで4連敗。4月30日の2勝目以降、白星から遠ざっている。 =敬称略= (編集委員)

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