1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

23年連続白星のヤクルト・石川 試合後に投げ合った楽天・岸が歩み寄り…素晴らしい光景を目の当たりに

スポニチアネックス / 2024年6月12日 8時3分

<楽・ヤ>23年連続勝利をつば九郎とともに喜ぶ石川(撮影・篠原岳夫)

 あっという間の出来事だったが、美しい光景だった。

 6月2日の楽天―ヤクルト戦は降雨による5回コールドゲームとなり、4―0でヤクルトが勝利した。先発の石川は5回無失点の完封で待望の今季初勝利。プロ1年目から23年連続白星というプロ野球史上初の快挙を達成した。

 試合後、石川は楽天モバイルパークの一塁側ベンチ裏の通路で報道陣の取材を受けていると突然、そこに相手先発の岸が姿を見せた。「石川さん、おめでとうございます」と言って差し出しされた右手を、石川は力強く握り返しながら「ありがとう」と返した。球界を代表するベテラン同士が互いにリスペクトを示すやりとり。時間にしてわずか10秒ほどだったが、まさにスポーツマンシップを体現する素晴らしい光景だった。

 近い世代の選手は年を追うごとに減り、その話題になると決まって「寂しいね」と口をそろえる。通算勝利数は石川の186勝に対して、岸が160勝。リーグは違っても、「平成」から「令和」に元号をまたいでしのぎを削りながら己を成長させてくれたライバル同士だ。最後の対決は12年6月11日(神宮)。そこから流れた月日が長かっただけに、4374日ぶりに投げ合いが実現したことを2人は心から喜んでいた。

 岸は交流戦が始まる前から「石川さんはいつ投げるの?天気は大丈夫かな?」と気に懸け、実際に投げ合いが決まると、事前に石川に「楽しみにしています」とメッセージを送っていた。石川も「天気がどうなるかで登板日が変わってしまうかもしれないけど…」と天気予報を何度もチェックしていた。

 真剣勝負で投げ合えるのは交流戦か日本シリーズだけ。今回を逃せば次のチャンスはいつ巡ってくるか分からない。大ベテランに対して失礼な言い方かもしれないが、2人から伝わってきたワクワク感と天気を気にする様子はまるで遠足を楽しみにしている子供のようだった。

 前日までの天気予報では試合開始前に大雨が降る予報で、前日の段階で中止を予想する関係者は多かった。当日、雨が降り始めたのは2回途中から。雨脚が強まり5回コールドになったが、何とか試合は成立した。願わくば、良い天候の下で試合が開催されればよかったのだが…。それは次回の楽しみにとっておこう。石川と岸なら、きっと来年以降も1軍でバリバリ投げているはずだから。(記者コラム・重光 晋太郎)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください