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落合務シェフ ブーム前のイタリア料理の不遇語る アルデンテを出すと「ちゃんとゆでろよ!って」

スポニチアネックス / 2024年6月13日 19時29分

落合務シェフ(2015年撮影)

 イタリアンシェフの落合務氏(76)が、13日放送のNHK「午後LIVE ニュースーン」(月~金曜後3・10)に出演し、ブーム前のイタリア料理について語った。

 イタリア各地のレストランで修業。帰国後、82年にイタリアンレストランの料理長に就任した。その後、テレビの料理番組や多数の著書で広く世に知られるようになった。

 17歳で料理の道へ進んだ落合さん。転機は31歳の時だった。当時の店のオーナーから、まだ日本になじみがなかったイタリア料理を研究するため、現地での修業を命じられた。「イタリアに行って初めてパプリカを見たし、初めてズッキーニを見たし。アーティチョークは根っこだと思ったらつぼみだと、向こうに行って分かって」。ローマ、フィレンツェ、ベネチア、ナポリなど、3年間で8都市を回り、修業を重ねたという。

 帰国すると、当時の社長からこう言われた。「“あなたがイタリアで勉強したことは、日本風に直しちゃダメだよ”って。“そのまんま出してくれ”って言うんで」。そのリクエスト通り、日本人の舌に合わせることなく、学んだままの料理を出していたという。

 ところが、評判は芳しくなかった。「パスタのアルデンテ(歯ごたえのある固さ)を出すと、お客様に怒られる時代だったですね。“このスパゲティ、ちゃんとゆでろよ!固いだろ!”って。“何でこんな固いの?うちの女房の方がもっとうまくゆでるよ?”って」。ゆで具合すら理解されないこともあったと明かした。

 「だんだん評判悪くなっちゃって、お客さんも来なくなっちゃったんですよ。100席の店にランチ14~15名、夜はゼロとか、そういう日がずっと続いた」。3度も胃かいようにかかり、「いろんなこと考えましたもん。料理人、向いてないんだろうなって」と振り返った。

 しかし、しばらくすると逆転現象が起こり始めた。評判を聞いた日本駐在のイタリア人らが、好んで通ってくれるようになったという。「さんざん僕を叱ったおじさまがいらしたんですけど、その方もイタリア人に連れられて来た。来たー!と思って」。当然、出したのはイタリアで学んだ通りの料理。その男性は「あんまり喜んでいない感じがしたんですけど」というものの、「次の日、その方がまたいらしたんですよ」という。

 男性は日本人4人で来店。「“お前ら、芯があるだろう?これが本場の食い方なんだよ。お前ら知らないだろう?イタリア人がうまいって言っているのって、これなんだ”って」。自慢げにそう説明していたことを明かしていた。

 もともとフランス料理のシェフになりたかったという落合氏。「ちょっと恨んでいたんです。“何でイタリアなんか行かせるんだ?”って」と、当時の心境を明かした。ほどなくしてバブル期の“イタ飯”ブームが到来。「今は本当に、社長ありがとうございましたという感じですけど」と、チャンスを与えてくれた社長に感謝していた。

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