気象予報士・木原氏 TARAKOさんありがとうの会弔辞全文 そらジローの声、舞台で親交「天才でした」
スポニチアネックス / 2024年6月15日 14時2分
3月4日に63歳で亡くなった声優TARAKOさんのお別れの会「TARAちゃんありがとうの会~たいせつなきみへ~」が15日、東京・有明のTFT HALLで営まれ、日本テレビ夕方のニュース番組「news every.」(月~金曜後3・50)のお天気キャスター木原実氏(63)が弔辞を読み上げた。
TARAKOさんは、「news every.」のお天気キャラクター「そらジロー」のアニメの声も担当。同番組でお天気キャスターを務める木原氏と長年の“相棒”となったほか、舞台での共演するなど、20年来の長い付き合いだった。
▽木原氏弔辞全文
お久しぶりですね。不思議なことに、今日の会のご案内をいただいた5月9日の夜に、初めてたらちゃんの夢を見ました。いったことないはずのたらちゃんの部屋に、僕は(TARAKOさんが作・演出を務めた舞台制作集団)「WAKUプロデュース」の誰かと一緒にいて、あなたの腕をさすっていました。闘病中、病院に行けなかった僕にようやくお見舞いをさせてくれたんだね。ごめんね、何も知らなかったから。そしてありがとう。まだ娘が小さかったころ、代々木公園で一緒にお花見しまさたね。それから2004年のWAKUの初参加から去年12月の公演から、毎回顔合わせから稽古、そして本番、打ち上げと、慌ただしくも楽しい時間を過ごさせていただきました。
中でも、ソラジローアニメの声の録音の時は狭いブースに2人きりだったから、ワクの芝居のことや、最近見たお芝居のこと、お互いの暮らしのこと、たわいもない話で笑ったね。懐かしいです。
僕はテレビの仕事の兼ね合いでWAKUのみんなと比べると本番の劇場入りも平日は生放送終わりで駆け込むので、開演直前の悪条件にも関わらず、どの作品でもとても素敵な役を僕に描いてくれました。感謝しかありません。WAKUで出会った素晴らしい俳優の皆様とTARAちゃんがいなかったら、僕はとっくに芝居を離れていたことでしょう。
そんなWAKUの公演ではいきなり配役を入れ替えたり、開演してもう物語が始まっているのに、次の出番も、セリフを変更したりやりたい放題でした。そしてそのたび舞台は面白くなっていった。
TARAちゃん、あなたは天才でした。そして、去年の舞台、ラストシーンに僕はTARAちゃんからダメ出しをもらいましたね。今はもう痛みや悲しみから解放されてうれしいんだから、もっともっと元気に楽しそうに演じてね。今はまさにTARAちゃんが書いた本のように、全て解放されて、あなたの会いたかったすべての人やに囲まれて、お空の上の幸せな世界にいると思っています。
たまに神様と口喧嘩してこっちに戻ってきていいよ。そうだ、また夢で会えたらいいですね。そのときは僕のグラスにワインを並々と注いでください。さよならは言いません。またね。形式上、どうか安らかにおやすみください。
木原氏は遺影の前に立ち、「お久しぶりですね。不思議なことに、今日の会のご案内をいただいた5月9日の夜に、初めてTARAちゃんの夢を見ました。いったことないはずのたTARAちゃんの部屋に、僕は誰かと一緒にいて、あなたの腕をさすっていました。闘病中、病院に行けなかった僕にようやくお見舞いをさせてくれたんだね。ごめんね、何も知らなかったから。そしてありがとう」と感謝した。「TARAちゃん、あなたは天才でした。そして、去年の舞台、ラストシーンに僕はTARAちゃんからダメ出しをもらいましたね」と語り掛け「たまに神様と口喧嘩してこっちに戻ってきていいよ。そうだ、また夢で会えたらいいですね。そのときは僕のグラスにワインを並々と注いでください。さよならは言いません。またね」と締めくくった。
その後、報道陣の囲み取材に応じ「新宿の屋台でおでん全部買って、稽古場に持って行こう」と稽古場で宴会をしたこともあったと明かし「共演者になにかとおごっちゃう。いっぱいられて僕がと言うと、“芝居で返して”と言われる。クソと思ってやってきた」とジョークを交えて回顧。舞台で共演したのは去年が最後。お客さんからスタンディングオベーションを受け、大反響だったといい「とてもいい思い出。TARAちゃんも崩れ落ちてました」としみじみと語った。
TARAKOさんも自身の体調の変化には「“歳だからね”と言っていて、彼女自身も気づいていなかった」と明かし、「TARAちゃんらしい最後になったのかな。だから皆もメソメソしちゃダメ」としのんだ。
1990年1月に放送を開始した国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」。“原作者・さくらももこさんに声がそっくりだったということ”をきっかけとし、TARAKOさんは、放送開始当初からまる子の声を務めた。
TARAKOさんの死因は公表されていないが、事務所の公式サイトなどによると、今年に入ってから病気を患い、闘病しながら仕事を続けていたと明らかにされている。
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