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大の里 大関昇進で“父の里”に恩返し 中学卒業後“親子対決”引導から8年

スポニチアネックス / 2024年6月16日 5時3分

中3の3月、まわし姿で父・中村知幸さん(左)とポーズを決める大の里(海洋高相撲部提供)

 大相撲夏場所で史上最速優勝を果たした小結・大の里(24=二所ノ関部屋)が16日の「父の日」を前に、父・中村知幸さん(48)へ感謝の思いを語った。電車道で圧勝した最後の親子対決など、相撲を始めるきっかけをつくってくれた父との思い出を胸に、大関獲りの可能性もある“準ご当所”の名古屋場所(7月14日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)へ決意を新たにした。

 夏場所千秋楽、賜杯を抱いた大の里を待つ支度部屋の中心には、父・中村知幸さんの姿があった。優勝が決まった瞬間に観客席で歓喜のガッツポーズから涙を流す場面はテレビ中継に映し出され、大きな体とそっくりな顔つきから“父の里”と呼ばれ、大きな話題にもなった。

 大の里が相撲を始めたのは、社会人相撲の選手だった父の影響。「相撲を始めるきっかけをつくってもらった。父の存在は凄く大きいです」。幼少期は父の試合をよく応援に行ってその姿に憧れ、小1から地元・石川県津幡町の相撲教室へ通い始めると父の指導を受けながら相撲にのめり込んでいった。

 親元を離れて新潟・能生中へ相撲留学すると、父の指導を拒むようになった。「自分は新潟の選手だから」。新天地で一から相撲を教わるための、12歳なりの“親離れ”だった。そんな2人の心に残っている思い出は、中学卒業直後の親子対決。白鵬杯で優勝して中学日本一に輝いたばかりの大の里が真剣勝負を挑んだ。「電車道で持っていきました。自分の圧勝でした(笑い)」。成長を示し、父超えを達成。息子に負けたら引退すると決めていた父に“引導”を渡した。

 連覇と大関獲りの期待がかかる名古屋場所は、地元からも近い“準ご当所”。家族が応援に訪れる予定もあるという。「常に感謝の気持ちを持っています。また良い結果を報告できるように頑張りたいですね」。父超えから8年、今度は番付上位の壁を越えて大関へと突き進む。

 ≪新潟相撲留学「自立した証」≫父・中村知幸さんは、息子の成長を感じた場面を振り返った。「新潟へ行ってから“俺に相撲を教えんといてくれ”と言われて寂しかった。でも自立した証かなと思いましたね」。親子対決では、その成長ぶりを肌で体感。本人の前では「まだ勝てる」と豪語していたそうだが、負けることは内心分かっていた。「やめるきっかけが欲しかった。気持ち良く負けて気持ち良く引退できましたね」。父超えは息子の“恩返し”でもあった。

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