巨人・ヘルナンデス 勉強熱心ナンデス 得点力アップの立役者 前日からの投手チェックが好調の理由
スポニチアネックス / 2024年6月19日 5時32分
巨人の新外国人、エリエ・ヘルナンデス外野手(29)は、5月に加入し、交流戦でデビューして18試合で打率・342、3本塁打、10打点と活躍している。初出場だった5月28日のソフトバンク戦から外国人選手の球団記録となるデビュー8試合連続安打をマークし、80打席以上でチームトップの得点圏打率・353。得点力不足だったチームの起爆剤となっている新助っ人が、スポニチ本紙のインタビューに答えた。
――来日して約1カ月。日本の生活には慣れた。
「時差ボケも全くないし、食事もちゃんととれている。そんなに時間かからずに、早い段階で慣れて生活できていると思う」
――打率・342、3本塁打は交流戦チームトップだった。
「結果はやるべきことをやった後についてくるもの。やるべきことをしっかり取り組んできたことが、今の好調につながっていると思っている」
――やるべきこととは?
「次の日に投げるだろう投手については、前日から必ず映像を見て、どういう球種を投げるのかチェックする。(レンジャーズ時代の)21年シーズンぐらいから、映像チェックをするようになって結果も出始めたので、習慣的にやっている」
――巨人というチームは?
「非常に一体感があって、ファミリーのようなチーム。5月に来た時に凄く温かく受け入れてくれた。こういうチームが大きな目標まで行くんだろうと感じている。誰かができないことがあったら、必ず別のチームメートが助ける。助け合いの精神。目標を達成するのに必要なこと。みんな話しかけてくれるし、(愛称の)“エリ”と呼んでくれる」
――日本選手の凄さを感じる部分は?
「打者は非常に三振が少ない。投手はコントロールが良くて、投げたいところに投げきれている印象。なかなか簡単には打たせてくれない。ミーティングでも“この投手はこういうボールを投げる”と聞くけれども、本当にその通りにコントロールされて投げてくる印象はある」
――チームメートで凄いと思った選手は?
「打者では岡本和。そんなに年齢もいってなくて、あれだけの才能があるのは凄いなと。単純に数字が凄い。パワーヒッターであるのは間違いない」
――投手は?
「戸郷、菅野。守っているセンターから見ていて本当に楽しい投手だなと。真後ろからどこに投げたいのか、どういう球を投げているのか、どういう変化しているのかを非常に興味深いと思いながら見ている」
――日本に来て驚いたことは?
「電車通勤をしているけれど、列になって、降りる人を待ってから乗るのには驚いた。日本人は礼儀正しい。日本人なら当たり前なのかもしれないけれど、誰かに会ったらあいさつする、誰にでも丁寧に対応してくれるのは、凄くびっくりした」
――日本文化で興味あることは?
「日本だからということではないけれど、ファッションは元々好きで、雑誌モデルとかに興味がある。自宅周りを散歩して、休みの日は買い物をしている。ザラ、ルルレモン、クリスチャン・ディオール、ルイ・ヴィトンなんかをよく着る」
――チームメートでおしゃれだと思う選手は?
「やっぱり坂本。非常におしゃれだなと思う」
――交流戦では仙台、札幌遠征もあったが、日本食は?
「食は好きなので、遠征に行くと“その地域でどういう食べ物がおいしいの?”と聞くようにしている。仙台では牛タンがとてもおいしかった。札幌ではお寿司を食べて、エビがおいしかった。生ものにも別に抵抗はないよ」
――気に入った日本語はあるか。
「ガンバッテ。ヨロシクオネガイシマス。アリガトウゴザイマス。オイシイ」
――21日からセ・リーグとの戦いが始まる。自身は初めてになるが。
「100%自分の力を出して戦っていくのは当然。自分にとって新しい投手がまだまだこれからいっぱい出てくると思うので、しっかり勉強して、準備をして臨むのが大事だと思う」
◇エリエ・ヘルナンデス 1994年11月21日生まれ、ドミニカ共和国出身の29歳。11年にロイヤルズと契約し、12年からマイナーでプレー。20年オフにレンジャーズ移籍。22年にメジャーデビューを果たし、メジャー通算14試合で打率・182、3打点、本塁打なし。23年は3Aでリーグ最多の165安打、36二塁打。1メートル85、89キロ。右投げ右打ち。好きな日本食は寿司。
≪スポーツ新聞にも興味!?来日1号紙面おねだり≫好奇心旺盛だ。デビュー3戦目だった5月30日のソフトバンク戦。ヘルナンデスは来日1号の左越え3ランを放ち、5点差の逆転劇の立役者となった。雄叫びを上げる写真が翌日の本紙3面に。後日、通訳から「本人が新聞を欲しがっている」とリクエストされ、新聞とともに写真パネルを渡した。
「思い出でとっておきたいなと思ってお願いしました。大事に汚れないような場所に置いています。写真のパネルはお母さんにプレゼントしたい」と笑顔。ドミニカ共和国出身で、日本のスポーツ新聞に物珍しさを感じているようだった。日本食にも「チャレンジしてみたい」と食わず嫌いはしない。異文化を吸収しようという探究心が、活躍の一因だと感じた。(巨人担当・青森 正宣)
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