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【内田雅也の追球】光ったけん制と好守備

スポニチアネックス / 2024年6月19日 8時2分

<神・日>9回、一塁へけん制し一走・水野をアウトにした岩崎(撮影・中辻 颯太)

 ◇交流戦 阪神2-1日本ハム(2024年6月18日 甲子園)

 甲子園の魔物などと書く気はない。相手の守備のミスに助けられてのサヨナラ勝ちだった。

 延長11回裏、1死一塁から遊ゴロ(併殺コース)が失策を呼んで一、三塁。走者二進後、暴投で三塁から代走の植田海が本塁に駆け込んだ。

 5回裏の先取点にも暴投がからんでいた。つまり、阪神は守り勝ったと言えるだろう。

 光ったのは、一塁けん制で2度走者を刺したことである。12球団最多50盗塁(17日現在)の機動力を封じ込んでいた。

 6回表1死一塁、石井大智は水谷瞬への1ストライクから一塁へけん制球。さらにセットに入る直前にターンするけん制で松本剛を刺した。9回表2死一塁では岩崎優が同じく1ストライクからのけん制で走者・水野達稀を誘いだして刺した(記録は盗塁死)。

 この夜、阪神投手陣のけん制球は他に4回表2死一塁(走者・松本剛)で村上頌樹が投げた2球だけだ。ムダなけん制は放らず、走者スタートが分かっているかのようである。相手のサインを盗んでいたのかもしれない。

 守備陣もよく守った。前川右京は左邪飛を飛び込んで好捕した。近本光司は前も後ろもライナー性飛球を難なく捕った。佐藤輝明は三塁線の逆シングルや、セーフティーバントを素手でつかんでの好守備を見せた。

 降雨中止の振替試合に観衆4万2601人が詰めかけていた。追加日程で異例の大入りだった。

 先日、NHK・BSシネマで映画『マネーボール』が放送されていた。マイケル・ルイスの原作は読んだが、映画を見るのは初めてだった。

 終盤、主人公のアスレチックスGMビリー・ビーンが娘から贈られたCDを車中で聴く。自らギターを弾き、レンカの『ショウ』を歌っている。歌詞は恋に悩む少女が「人生は迷路 恋はなぞなぞ」と落ち込んでいる。「でも 忘れよう 楽しもう」と立ち直る。「もっとショウを楽しんで」の部分が字幕では「もっと“野球”を楽しんで」に替えてあった。

 ビーンも勝利にあくせくし、野球が好きだったことなど忘れていた。満員の球場で「人は野球に夢を見る」と思い直す。

 監督・岡田彰布も勝利中毒だ。ただ試合前、ベンチで会った時はゆったりと構えていた。「悪い悪いって、去年と一緒やん」。交流戦は優勝した昨年と同じ7勝。まだこれから、と顔に書いてあった。 =敬称略= (編集委員)

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