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海外からの「レンタル移籍」第1号は日本人投手 独立リーグから韓国のプロへの新展開

スポニチアネックス / 2024年6月19日 12時59分

13日、3度目の先発マウンドに上がった白川恵翔 (SSGランダーズ提供)

 【室井昌也 月に2回は韓情移入】「自動投球判定システム(ABS)」、「ピッチクロック」をはじめ、リーグが直面している課題解決のため新しい技術、ルールを積極的に採用している韓国KBOリーグ。今季から始まった新制度に「代替外国人選手制度」がある。

 その第1号が5月31日、SSGランダーズの投手として選手登録された。四国アイランドリーグplus、徳島インディゴソックスの白川恵翔(23)だ。KBOリーグの日本国籍の外国人選手は13年ぶり7人目。NPB在籍歴のない選手では2人目となる。

 KBOリーグの外国人選手は1球団3人まで。全てを投手、野手にすることはできず、どのチームも外国人投手2人が先発ローテーションの中心的役割を担っている。

 そのため外国人投手の故障離脱はチームにとって大きな痛手だ。そこで昨季までの各球団は、長期離脱が決まると回復を待たずに契約を解除。新たな外国人投手の獲得で穴埋めを続けていた。

 今回採用の「代替外国人制度」は故障選手との契約は有効なまま、故障者リストから復帰する6週間を期限に、代わりの外国人選手を迎え入れるもの。言わば「期限付き移籍」だ。球団は6週間後、故障復帰選手または代替選手のどちらと契約を継続するかを決める。

 左内腹斜筋故障のロエニス・エリアスの代替でSSG入りした白川。入団までの球団の動きはとても早かった。SSGは5月18日のソフトバンク3軍戦に先発し好投した白川と、3日後の同21日に契約。他球団も日本の独立リーグを視察するという情報があったからだ。

 パスポート、就労ビザ取得の手続きを早急に進め、白川は同24日の香川オリーブガイナーズ戦(丸亀)に中継ぎ登板した翌日に韓国へ。6月1日には3月にメジャー開幕戦も行われた高尺(コチョク)ドームで、KBO初マウンドに立った。丸亀での登板から8日後のことだ。

 白川はここまで3試合に先発登板し2勝1敗。2戦目は大量失点し2回途中で降板するも、1日のキウムヒーローズ戦は5回無失点、13日のKIAタイガース戦は5回1失点と好投した。白川の契約内容は6週間で180万円。球団としては「期待以上の働き」だ。

 KBOリーグは1リーグ10球団制。9チームと対戦する。仮に白川が6週間で帰国した場合、同じ相手と複数回顔を合わせる可能性は低い。一度上げた左足を軽く上下する二段モーション、グラブをはめた左手を高く上げる投球フォームは韓国にはいないタイプだ。

 またABSは高めから入るカーブがストライクと判定されるケースが多いと言われている。カーブが得意球の白川にとって判定だけではなく、相手に意識させる面でもプラスになっている。SSGの鈴木郁洋バッテリーコーチが「粗さはあるけどハマれば面白い」と話した白川の第一印象が好結果に現れた。

 では今後、白川に次ぐ2例、3例は出て来るのか。ルートインBCリーグ、群馬ダイヤモンドペガサスの監督でKIAでのコーチ経験もある高橋雅裕は「(独立リーグの)選手にとっては条件が良く、いい経験になると思います。ただ選手層が厚くないチームの場合、例えば今ウチがエースを持っていかれたらと思うと考えますね」と話した。

 白川以後、2人の代替外国人がKBO入りした。マイナーリーグ、米独立リーグでプレーしていた選手だ。KBO版「レンタル移籍」とも言えるこの制度。今季、そして来季以降、さらに日本人選手が関わる展開へと発展するか。

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