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楽天のV字回復“濃密すぎる”3週間 表彰選手ゼロ…史上初の珍事も“騒動”乗り越え太田が「裏MVP」

スポニチアネックス / 2024年6月21日 8時2分

16日の広島戦。2回、小郷の一ゴロの失策で生還した渡辺佳と太田をベンチが迎える(撮影・篠原 岳夫)

 楽天は球団創設20年目の節目で交流戦初優勝を達成したが、交流戦開幕前の1週間はどん底だった。5月21日のソフトバンク戦は0―21の記録的大敗。翌22日も0│12で敗れた。同25日まで6連敗。それが、広島戦以外の5カードで勝ち越し、13勝5敗で頂点を極めた。

 19日に交流戦表彰選手が発表。楽天選手の名前はなかった。優勝チームから表彰選手が出なかったのは史上初の珍事。裏を返せば、突出した選手がいなくても全員野球で勝ち取った証ともいえる。

 今江監督はチーム防御率2・29の投手陣全員をMVPと評価した上で「裏のMVP」に交流戦18試合中16試合でスタメンマスクをかぶった捕手の太田を“選出”。開幕カード2戦目だった5月29日のDeNA戦で決勝の1号ソロを放って自身もチームも乗った。指揮官は打撃面での成長も評価し、さらにリード面についても「今までは自分というものが強すぎたが、“早川との一件”があってから、いろいろな意見を聞いた上で、でも“自分の意見はこう”と、しっかりコミュニケーションが取れるようになった」と分析する。

 今季、太田にとって“早川との一件”は成長へとつながる重要な出来事だった。4月19日の西武戦で先発・早川とバッテリーを組んだが3回までに5失点で石原と交代。試合後、早川は3回までについて「ボール自体は悪くなかった。自分は要求された球を投げた感じ」と話し、4回から7回まで無失点に導いた捕手の石原については「テンポも良くなりましたし、自分の投げたいボール、どういう配球をしたいと分かってくれている」と称えた。

 ともすれば大きな火種となる可能性があった早川の“太田批判”とも取れる発言。太田は「自分の中で考えていたつもりでも、考えられていなかったこともあった。そこを見つめ直すきっかけにもなったし、野球以外のいろいろなことに気付けた時期だった」と振り返った。これまで以上にコミュニケーションを取るようになり、騒動後は早川も7試合連続でクオリティースタート(6回以上自責点3以下)を記録して3勝0敗、防御率1・17。大半を太田がリードしている。

 太田以外も随所で成長が見られた交流戦でのV字回復。改めてチームは生き物だと感じた、濃密な3週間だった。

(記者コラム・花里 雄太)

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