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MLBの打撃低迷は「ピッチング・ラボ」による球種増加が要因、同じスイングで異なる速球は打てない

スポニチアネックス / 2024年6月22日 13時0分

ロイヤルズのセス・ルーゴ(AP)

 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が今季リーグの打撃成績が上がらない理由について、現場の打者や投手に取材している。

 ブルワーズのクリスチャン・イエリチは、以前は投手はカウントが悪くなると、ストライクを取りに来て、その甘い球を待てばよかったが、甘い球は来なくなったと証言する。「投手の投げる球が良くなくても、以前なら捕手に『この球は好きではない。威力がない』と言われるだけで、投手は細かいことがわからないから同じ球を投げ続けていた。しかし今の投手は『ピッチング・ラボ』でデータやハイスピードカメラの映像を見て、何がうまくいくか、何がうまくいかないかを細かく確認できる。そして甘い球は、形状や角度、軌道を再設計して、効果的な球種になる」。

 ブルージェイズのジョージ・スプリンガーは「投手の投げる球は、回転率でも速度でもこれまでで最高。100マイルを超える速球を投げ、スライダーも増えた。このピッチャーはせいぜい92マイルだから安心という打席はもう存在しない」と嘆く。カージナルスのノーラン・アレナドも「投手が急に球速を上げたり、球種を加えたりする。現在のピッチングは我々打者がコントロールしようがない」と訴える。

 1人のピッチャーが5つ以上の球種を投げるケースも珍しくなくなっている。例えば8つの球種を操るロイヤルズのセス・ルーゴだ。「ある打者がフォーシームとツーシームを打てるとして、カッターも打てるかというと、可能性はほんの少しだ。もしその打者が3種類の速球をすべて打てたとしてもブレーキングボールは打てない。すべての球種を持ち、1球1球、スイングごとに、予測できないようにすることが目標」と話す。彼のような球種の多い投手が増えている。「ピッチング・ラボ」によるものだ。

 投手コーチも投手が新しい球種を学ぶのを助ける。打者は混乱するしかない。アレナドは「以前は、特定のピッチャーについて、彼はシンカーボールピッチャーだとか言えたが、今ではフォーシーム、シンカー、スライダー、スィーパー、チェンジアップとなんでも持っている。レパートリーが豊富なのに驚いている」。速球だけで、3、4種類ある。97マイルで向かってきて、最後の瞬間に4つの異なる方法で動く。マリナーズのミッチ・ハニガーは「複数の速球は難しい。同じスイングでそれぞれの速球を打つことはできない。多くの場合、間違ったスイングを選んでいたことに気づいた時には遅すぎる」。

 速球がいろんな動きをすることで、この15年間でこの球種に対するリーグの打率は15ポイントも下がった(・292から・277)。シンカーやカッターによる三振数も増えている。だが最も大きなインパクトはフォーシームが打ちにくくなったこと。15年前のフォーシームに対するリーグの打率は・277だったが、24年は・245と32ポイントも下がっている。

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