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慶天海断髪式「そこだけはすごく悔いが…」化粧まわしに残る無念と、関取在位1場所の誇り

スポニチアネックス / 2024年6月24日 7時49分

<慶天海断髪式>会場に飾られた3本の化粧まわし(撮影・前川 晋作)

 今年の初場所限りで現役を引退した大相撲の元十両・慶天海(34=阿武松部屋)の断髪式が23日、東京都墨田区の東武ホテルレバント東京で行われ、約120人がはさみを入れた。

 鹿児島・奄美大島出身の慶天海は埼玉栄高を経2008年初場所の初土俵。右肩や左膝のケガに苦しみながらも、入門から4年半という早さで12年秋場所で新十両昇進を果たした。しかし、その場所の2日目に右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負って翌日から休場。関取として締め込み姿で土俵に上がったのはわすか2日だけで、テレビ放送の新十両インタビューに出演することもかなわなかった。

 その後は5場所連続全休。序ノ口で復帰した13年秋場所から2場所連続の各段優勝を含む8場所連続勝ち越しで十両復帰目前の東幕下2枚目まで一気に番付を戻した。15年初場所千秋楽、勝てば関取復帰確実となる3勝3敗で迎えた大一番に惜敗して大きなチャンスを逃した。関取在位1場所。「16年間、ケガだらけの相撲人生でした」と振り返るように“悲運の元十両”として多くの人々の心に刻まれた。

 この日、断髪式の会場には3本の化粧まわしと明け荷が飾られていた。故郷の瀬戸内町後援会、母校の埼玉栄高、阿武松部屋と縁のあるディスカウントストア「Mr.Max」からそれぞれ贈られた物。化粧まわしを締めて土俵入りを行ったのは新十両だった12年秋場所の初日と2日目の2日間のみだったため、3種類全てをお披露目することはできなかった。「そこだけはすごく悔いが残っています。せっかく3本もいただいたのに申し訳ないというか…全部締めたかったなと」。引退しても今なお無念の思いがこみ上げた。

 埼玉栄高の校章入りの化粧まわしは、慶天海を含めこれまで計28人に贈られている。「あのオレンジ色の化粧まわしに憧れがあったので、締めて土俵入りやりたかったですね」。同校相撲部の山田道紀監督からは「関取になれない人がたくさんいる中で、1場所でも関取になったことは本当に喜んでおります。ただ本人は威張ることなく、周りから“え?十両まで行ったの?”と言われるぐらいの感じで生活していってほしい。その方が値打ちあります」と相撲人生を称える言葉を贈られた。「ジーンときました。昔からずっと言われていたことなので」。元十両の誇りを胸に、かつ謙虚に。恩師の言葉をしっかりと胸に刻んだ。

 ◇慶天海 孔晴(けいてんかい・こうせい)本名=慶孔晴(けい・こうせい)。1990年(平2)3月10日生まれ、鹿児島県瀬戸内町出身の34歳。古仁屋相撲クラブで3歳から相撲を始め、埼玉栄高に相撲留学。2年時に全国高校総体団体優勝。3年時に関東大会100キロ級準優勝。阿武松部屋に入門し、08年初場所で初土俵。同年九州場所で序二段優勝。12年秋場所で新十両昇進。同場所2日目に右膝前十字靱帯断裂の大ケガ。翌九州場所から5場所連続全休。13年秋場所で復帰し、序ノ口優勝。翌九州場所で序二段優勝。関取在位1場所。通算成績336勝252敗78休。1メートル75、113キロ(引退時)。

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