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唐沢寿明「全然泣いてないですよ」 亡き恩師の知られざる思い知り涙「彼女のおかげで今がある」

スポニチアネックス / 2024年6月24日 15時18分

唐沢寿明

 俳優の唐沢寿明(61)が、23日放送のTBS系「日曜日の初耳学SP」(後9・00)に出演し、亡き恩師の知られざる思いを知り涙する一幕があった。

 23歳で「ボーイズレビュー・ステイゴールド」に出演し、舞台デビュー。当時の映像も番組で公開されたが、唐沢は「衣装食ってないからやせてるんだよね」と苦笑いした。その舞台の制作を手掛けていた事務所に預かりで3年間、所属することになった。その社長が、舞台プロデューサーの橋爪貴志子さんだった。

 橋爪さんからは、「3年間やりなさい。3年でだめだったら辞めなさいって言われて」と、期限付きで面倒を見てもらっていたという。これまでのワイルドな服装から、ポロシャツとチノパンを買い与えられてトレンディー俳優風に変身。そのとたんにNHKのオーディションに合格した。「それになってから売れたんで、不思議ですよね。自分とはまったく違う世界ですもん」と驚いた。

 本名の唐沢潔から、現在の芸名に変えたのも、橋爪さんの意向だったという。「“あんた暗いから名前変えたから。寿に明るいって、最高に明るいでしょう?”って」。唐沢も番組出演後に改名の事実を知ったという。

 今は亡き橋爪さんの仕事仲間で、2人についてを知る吉川愛美さんが、当時の橋爪さんについて番組にコメントを寄せた。宝塚歌劇団出身で、ダンスに厳しかった橋爪さんだが、唐沢の身のこなしを見て可能性を感じていたという。「唐沢さんのダンスを見て“あの子いいじゃない?”、“どう?いいよねあの子”と言って目を付けていたのを覚えています。ダンス以外にもお顔やスタイル、役者の素質がそろっていて、“バランスがいいでしょ?”と我が子のようによく自慢されました。このバランスの良さに橋爪さんは唐沢さんの可能性を感じたのだと思います」と明かした。

 唐沢はその後、大手芸能事務所の研音へ移籍。橋爪さんとは離ればなれになった。吉川さんは「唐沢さんが橋爪さんの事務所をお辞めになった時、普段泣かない橋爪さんが涙を流しながら私を訪ねて来ました。“自分で立派な役者に育て上げたいという気持ちの半面、誰よりも唐沢さんの役者としての可能性を感じていたので、より活躍の場が広がる大手事務所への移籍ものんだわ”と言っていたのを、今でも鮮明に覚えています。“でも、もうちょっと食べさせて筋肉を付けたいわ”と相談されたこともあります」。知られざる真実の数々に、唐沢は「これ、きついなあ…」と表情をゆがめ、目を潤ませた。

 「その後の唐沢さんのご活躍。橋爪さんは世界の誰よりも喜ばれていたと思いますよ」と吉川さん。唐沢はうなずきながら、「全然泣いてないですよ」と強がり、涙をぬぐった。

 涙をこらえきれなかった唐沢は、「きついなあ、これ。こんな番組なんですか?」とジョークでかわそうとした。それでも「お世話になりましたからね。知らないことも出てきましたね。知らなかったですね。こんなことを言っているのも知らなかったです」と、素直に橋爪さんへの感謝を口にした。その上で「“ちょっと筋肉付けたいわ”って、もっと食わせてくれればよかったのにね。ガリガリのまま出ちゃいましたからね」と笑わせた。

 とはいえ、当時は食うにも困っていた唐沢の面倒を、細部まで面倒見てくれていたという。「それこそ、ナイフとフォークの使い方から全部教わりましたね。知らなかったから。フィンガーボウルの水とか飲んでましたからね。“ダメよ、飲んじゃ”って言われて。それがトレンディー俳優とかなっているんですからね。でも本当にお世話になりました。彼女のおかげで今があるということですからね」と、懐かしそうに振り返った。

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