首位ターン町田が昨季王者神戸と後半初戦へ 黒田監督がFW大迫と“半端ない”選手権以来の再戦
スポニチアネックス / 2024年6月24日 22時17分
J1リーグ戦を初昇格チームとして史上初の首位で折り返した町田は、後半戦のスタートとして26日に4位の神戸、30日に3位のG大阪と関西アウェー2連戦を戦う。24日に行われた非公開練習後、取材に応じた黒田剛監督は「連敗すると首位から脱落し、自力では追いつけなくなる。この2連戦がリーグ全体のターニングポイントになる可能性もある」と重要性を力説した。
特に神戸には4月に1―2で敗れており、昨季王者といえどもシーズン2敗を喫するわけにはいかない。故障で前回不在だった相手エースFW大迫勇也について、黒田監督は「ボールの収まりはJリーグ屈指。それを信じてみんなフリーランしてくるだろうし、そこをどれだけ抑えられるかが焦点になる」と警戒した。そんな黒田監督と大迫は、浅からぬ因縁がある。
さかのぼること16年前。08年度の全国高校選手権1回戦で黒田監督率いる青森山田は、大会注目の3年生ストライカー大迫勇を擁する鹿児島城西と対戦した。1年生のMF柴崎岳が先発で選手権デビューした青森山田は、前半24分までに2点を先行した。ところがそこから反撃を許し、大迫勇には同点と勝ち越しの2発を被弾。3―4で悔しい逆転負けを喫した。
大迫勇はここから4試合連続2得点を含む大会新の10得点を叩き出し、同校を準優勝に導く大活躍。有名なフレーズ“大迫半端ないって”も、この大会で生まれた。黒田監督は「ストライカーとしてずば抜けていた。鹿児島城西は他にも力のある攻撃選手がいて、3、4人でのカウンター攻撃が強烈だった」と述懐。今年に入り黒田監督が「2―0は危険なスコア」との定説を痛感した記憶の例に挙げたほど、強烈な印象の残る試合だった。
翌年度は青森山田が柴崎らの活躍で準優勝し、強豪校の地位を不動のものとした。その前年にもし青森山田が大迫を封じて逃げ切っていたら、日本サッカーの歴史は少しだけ違っていたのかもしれない。そんな仮定を黒田監督は「鹿島入りが決まっていたし、(どちらにしても)彼の能力は開花した」と笑って否定する。
「真面目だし、負けん気が強く、誠実な選手。神戸は彼の活躍があってのチームだと思う」。あれから16年。早くからその実力を認める伝説級のストライカーを、J1首位チームの指揮官として堂々と迎え撃つ。
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