ド軍指揮官が大谷翔平の成長分析「ボールを追いかける傾向が強かった」69年ぶり球団記録も「驚かない」

＜ホワイトソックス・ドジャース＞試合前に取材に応じるデーブ・ロバーツ監督（撮影・柳原　直之）

　◇インターリーグ　ドジャース4―3ホワイトソックス（2024年6月25日　シカゴ）

　ドジャースの大谷翔平投手（29）が25日（日本時間26日）、敵地でのホワイトソックス戦に「1番・DH」で先発出場。4打数2安打2打点の活躍を見せ、チームは3連勝を飾った。第1打席で2試合ぶりの一発となる24号を放ち、今季メジャー最長、69年ぶりの球団歴代タイの9試合連続打点。通算200本塁打まではあと5本とした。第3打席でも右前適時打を放って今季60打点とし、3試合ぶりのマルチ安打をマークした。今季折り返しの81試合を終え、キャリアハイをマークした2021年の46本塁打を上回る48発ペースとなっている。

　試合後、デーブ・ロバーツ監督はキャリアハイを更新する勢いで成績を残している大谷の成長について「ショウヘイは（ストライクを振って、ボールを見逃す重要性を）理解している。（2ボール1ストライクなどの）バッティングカウントでさえストライクゾーンをコントロールできている。過去数年間、彼はボールを追いかける傾向が強かったが、そうすると追い込まれてしまう。彼がボールを見極めることができれば、多くの特別なことが起こる。変化球を打った今日の本塁打、昨夜の犠飛など、彼は試合に勝つために多くのことをしている。彼は四球を取る必要があるときに四球を取ることもできる。誰もがヒットを打とうとするが、打てるのはそのボールがプレートの上に投げられたときだけ。彼はそれを見事にこなしている」と分析した。

　また「彼の一貫性はストライクゾーンをコントロールしていること。彼は明らかに非常に才能があり、人々は彼のバットを振る熱意に刺激されている。だから9試合連続打点でも驚かない。相手投手がホームプレートの上に投げれば、今のところ彼は良い打席に立つことに集中しているだけだと思う。だから、これらホームランや打点、得点が生まれている。これらすべての良いことが起こっている」と語った。

　初回、大谷が本塁打を打った際に大谷が一塁ベースを踏み直したことについては「私は彼が一塁ベースを踏んだかどうか見ていなかった」とし「結果的に彼は踏み直したので、改めての事実確認は不要だろう」と話した。

　大谷のバットがいきなり火を吹いた。初回、右腕のフレクセンに対してカウント2―2と追い込まれたが、外角のカーブを粘り腰でスイング。やや泳がされた形でとなったが、打球はフェンス際で右翼ファムのグラブに当たってギリギリでフェンスを越えた。バットを持ちながら打球を見て走っていた大谷は、一塁ベースを踏み忘れたため一塁ベースを戻って踏み直し。今季2度目、通算8度目の先頭弾を放った大谷はそこからダイヤモンドをゆっくり一周した。打球速度93.8マイル（約150.9キロ）はメジャー7年目で最も遅い打球速度での一発で、球団では1955年のロイ・キャンパネラ以来、69年ぶりの9試合連続打点となった。

　ホワイトソックスが初回に3点を奪い、1―3と勝ち越されて迎えた3回は先頭打者。フルカウントから右腕フレクセンが6球目を投じようとしたところで大谷がタイムを取ったため、敵地ファンからブーイングが起きた。しかし、大谷はブーイングにも動じず、続く6球目の低めシンカーを見逃して四球を選んだ。1死後にはフリーマンに12号2ランが飛び出し、すぐさま同点に追いついた。

　豪快な一発の次は確実に走者を還す打撃だ。3―3で迎えた4回2死一、三塁。1ストライクから右腕フレクセンの内角低めカットボールを引っ張り込むと、109.5マイル（約176.2キロ）の痛烈な打球で一、二塁間を破って勝ち越し点をもたらした。これで今季60打点とし、リーグトップ64打点のブレーブス・オズナ、フィリーズ・ボームの2人に4打点差。打率、本塁打はリーグトップをキープし、3冠王を狙える位置につけている。