担当記者が伝えるドジャース大谷翔平の取材現場 負け試合でも取材に応じる7年目の変化
スポニチアネックス / 2024年6月28日 8時1分
ドジャースの大谷翔平投手(29)の担当記者として、6月21日の本拠地ロサンゼルスでのエンゼルス戦から約2カ月ぶり、今季2度目の米国出張に来ている。
メジャー取材は日本のプロ野球と違って、試合前後にクラブハウスで取材できるのが大きな特徴の一つ。26日にシカゴで行われたホワイトソックス戦では野手のミーティング終了後に捕手バーンズが大谷に向かって「ショウヘイ!ホームラン!」と茶化し、大谷は「ハハハ」と苦笑。その数時間後の初回に先頭打者アーチを描き、記者席で見ていた私も「本当に打った!」と驚くしかなかった。
クラブハウスでは選手とのマンツーマン取材が可能だが、大谷は二刀流で調整が多忙のため禁止。昨年9月に受けた右肘手術の影響で今季は打者専念のシーズンだが、注目度の高さからそのルールは変わっていない。ルールを知らないシカゴの現地記者がロッカーで着替え中の大谷の後ろで待ち構えていたが、セキュリティー担当にしっかり止められていた。
大谷はマスメディアと一線を引いている印象が強く、私のような担当11年目の記者だろうが、新人記者だろうが、球界OBだろうが、対応はほぼ同じ。報道内容の差は出づらいが、フェアな考え方でもある。新居購入の報道をめぐり一部メディアがドジャースの取材パスを凍結されたとする報道もあったせいか、私が渡米したタイミングは少しピリピリした雰囲気を感じた。
一方、エンゼルス時代との大きな違いは取材対応の多さ。渡米後1週間で囲み取材は3度、ヒーローインタビューのみの日が1度。渡米前の19日にコロラドで行われたロッキーズ戦では負け試合にも関わらず囲み取材に応じていたが、エンゼルス時代ではあまり考えられなかった光景だ。
大型契約での新天地1年目、自身の結婚、元通訳の水原一平被告の“事件”など様々な環境が変わったことによる考え方の変化や、そもそものドジャース広報部のポリシーなのかもしれないが、試合後の体のケアの合間を縫って真摯(しんし)にメディア対応する姿には頭が下がる思いだ。
1883年創設の名門球団の歴史をわずか3カ月足らずで次々と塗り替えている。今回の出張は7月下旬までの1カ月強。もはや形容する言葉がないほどのパフォーマンスを見せ続ける大谷の言葉をしっかり伝え続けていきたい。(記者コラム・柳原 直之)
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