カブス・今永昇太「出力を抑えて勝てるほどこの世界は甘くない」序盤からエンジン全開 渡米後最速を計測
スポニチアネックス / 2024年6月28日 10時8分
◇ナ・リーグ カブス5-3ジャイアンツ(2024年6月27日 サンフランシスコ)
カブスの今永昇太投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地でのジャイアンツ戦に先発し、6回5安打3失点で勝敗は付かなかった。チームは延長戦の末、勝利し連敗を4で止めた。
前回21日のメッツ戦は自己ワーストの4回途中10失点。この1週間は「めちゃくちゃ不安でした」。また、めった打ちにあったらどうしよう…。よくない想像が何度も頭をよぎった。
不安な心に明かりを灯してくれたのが、クレイグ・カウンセル監督の闘志あふれる言葉だった。「殴られても立ち上がればいい。別に殴られること、パンチを食らうことは悪くない。その後に立ち上がることが大事」。春季キャンプでのミーティング時、指揮官が選手に語りかけた。
「今日の試合前も弱気になった」という今永だが、指揮官の言葉を胸に「最後、やるのは自分しかいない」と自らを奮い立たせ、マウンドへ。初回からエンジン全開で3回、アーメドの打席ではメジャー移籍後、最速となる94・6マイル(約152・2キロ)を計測。「今週、僕はすごくパンチを食らった状態で厳しい1週間でしたけど、立ち上がろうとする姿勢を誰かに見てもらえたらな」と5回までわずか1安打と踏ん張った。
めった打ちされた前回は、立ち上がりはあえて出力を抑えて、直球を生かすプランを持って臨んだが、結果は裏目に出た。「出力を抑えて、相手に勝てることほどこの世界は甘くない」と反省。「ここで何も成し遂げていない自分がなんで8割で抑えようとしてんだって、自分の力をものすごく過信していた。今日ぐらいの出力を出し続けなければ通用しないと本当に勉強になった」とこの日の登板で痛感した。
5回までは前回の戒め通りフルスロットルも、6回につかまり4安打で一気に3点を失った。それだけに「こういうピッチングの時6、7回に絶対ピンチになるんですけど、6回無失点、7回も何事もなかったかのように切り抜ける。そういうピッチングをカウンセル監督に求められると思うのでそういう投球を今後やっていきたい」と次回以降への新たな課題も見つかった。
自身に白星はつかなかったが、チームは延長戦の末、連敗を4で止めた。最後までファイティングポーズを崩さず「殴られても立ち上がる」という姿勢は確実にチームメートに伝わった。
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