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イケメン慶大生・豊田 大会新でパリ五輪内定 泣いた日、吐いた日乗り越え父の母国フランスへ

スポニチアネックス / 2024年6月29日 4時32分

<陸上日本選手権 第2日>)男子400メートル障害決勝、優勝した豊田兼(撮影・平嶋 理子)

 ◇陸上日本選手権兼パリ五輪代表選考会第2日(2024年6月28日 新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)

 男子400メートル障害決勝で、既に五輪参加標準記録を突破している豊田兼(21=慶大)が日本歴代3位となる47秒99の大会新記録で初優勝し、パリ五輪内定を決めた。日本勢初の障害2種目での五輪出場へ、最初の関門を突破。29日から始まる110メートル障害でも出場権獲得に挑む。

 ラストの直線に入ると、豊田はさらにギアを上げた。初の五輪切符を決めるフィニッシュ後、右拳を夜空に突き上げた。予選落ちだった1年前から急成長を遂げ、陸上では12年ロンドン大会100メートルの山縣亮太以来となる現役慶大生の五輪出場。「非常に満足している」と夢心地に浸った。

 自己記録を0秒37更新し、花の都行きに自ら花を添えた。47秒99は為末大、成迫健児に続く日本人3人目の47秒台。東京五輪決勝では7位相当の好タイムだった。「最初の表示が48秒01だったので、まさか47秒台になると思わず驚いた」。この種目では為末が世界選手権2大会で銅メダルを獲得しているが、日本勢の五輪入賞者はゼロ。「まだここがゴールじゃない。パリ五輪で決勝の舞台に進みたい」と力強く言った。

 日本勢では前例のない障害2種目での五輪出場を狙う。父がフランス人で、端正な風貌に加え、英語、フランス語も堪能。ひょうひょうと見えるが、パリ切符は汗と涙の結晶だった。桐朋中・高で6年間指導した外堀宏幸監督(48)は「体質的に吐きやすいのか、吐くのが日常だった」と振り返る。走り込みでは練習場の脇にある側溝へ直行し、走っては吐いた。

 コロナ下の20年は高校総体が中止となり、一人で泣いた。同年8月のセイコーゴールデングランプリに高校生の特別枠ドリームレーンに応募し、110メートル障害で出場。「そこでモチベーションがつながった」と外堀監督。大学入学後も恵まれた体格をいじめ抜いた。豊田は「こつこつ目の前にある山をどんどん越えて、ここまで来られた」と胸を張った。

 父の母国で開催されるパリ五輪への夢がかなったが、目指すのは「新しいロールモデル」になると決めた2種目での切符獲得だ。「110メートル障害があるので、まだ緊張はほぐれない」。1メートル95の二刀流ハードラーが、次なる目標に挑む。 (大和 弘明)

 ◇豊田 兼(とよだ・けん)2002年(平14)10月15日生まれ、東京都出身の21歳。東京・桐朋中時代は四種競技の選手。桐朋高から障害2種目を始め、慶大に入学。昨年の世界ユニバーシティー夏季大会(旧ユニバーシアード)の110メートル障害で学生世界一となり、先月のセイコー・ゴールデンGPでは400メートル障害を制した。両種目に加えて400メートルもこなす。慶大4年で陸上部主将。1メートル95。

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