昨夏4強の大牟田はコールド発進 5回ノーノーの境「次も全力集中で」 同校初の選手権出場を狙う

＜大牟田・筑紫＞夏の初戦で5回参考ながらノーヒットノーランを達成した大牟田の境利月（撮影・杉浦　友樹）

　◇第106回全国高校野球　福岡大会2回戦　大牟田10―0筑紫（2024年7月2日　大牟田延命）

　昨夏4強の大牟田は筑紫に10―0で5回コールド勝ち。エース左腕の境利月（りつ）投手（3年）が5回参考ながらノーヒットノーランを達成した。

　地元でこれ以上ないスタートを切った。大牟田の境利が5回参考ながらノーヒットノーランを達成。「テンポよくリズムをつくれたことが良かった」と笑みを浮かべた。

　初回をわずか5球で抑えて波に乗った。許した走者は3回先頭の四球のみ。最速140キロの直球は最後まで力強く、15アウトのうちゴロアウト9つと打たせて取る投球が光った。地元・大牟田延命球場での試合に吹奏楽部が応援に駆けつけ、「気持ちが楽しいし、力がいつもより出ます」と音色もパワーにした。

　昨夏は2年生エースとして福岡大会4強入りに貢献。春の福岡大会は準優勝で九州大会に出場した。初戦で選抜に出場した神村学園と対戦。高校日本代表候補の正林に適時打を浴びるなど、6回2/3で8失点して敗れた。夏に向けて「体力づくりから始めました」と1日最低10本のポール間走をノルマにし、多い時は20本走るなど下半身をいじめ抜いた。「以前は終盤にバテたりしていたんですけど、最後まで投げられるようになってきた」と手応えをつかんでいる。

　大牟田は07年に元ロッテの阿部和成を擁して選抜に出場。境利は初の夏の甲子園へ向け「次も全力集中で勝ちにいきたい」と力強かった。　（杉浦　友樹）

　◇境　利月（さかい・りつ）2006年（平18）10月4日生まれ、福岡県大牟田市出身の17歳。小1の時に大牟田サンボーイズで野球を始める。中学では大牟田ビクトリーに在籍。大牟田では1年夏からベンチ入り。1メートル74、72キロ。左投げ左打ち。