将棋の西山朋佳女流3冠 プロ棋士編入試験受験へ「自分にとっての大勝負」
スポニチアネックス / 2024年7月4日 20時37分
将棋の西山朋佳女流3冠(29)=白玲・女王・女流王将=が4日、東京・将棋会館で午前に指された朝日杯オープン戦1次予選で阿部光瑠七段(29)を破り、直近の公式戦成績が13勝7敗となり、プロ棋士編入試験を受ける資格を獲得した。女性で資格を得たのは福間香奈女流5冠(32)に続き2人目。合格すれば初の女性棋士誕生となり、「自分にとっての大勝負という気持ちで指します」と気合を入れた。
午後に行われた佐々木大地七段(29)との対局後取材に応じ、「受験させていただこうと思います」と受験の意思を表明した。報道陣から意向を問われると「はい」と即答。資格獲得直後に受験することを日本将棋連盟に伝えたという。「試験のことは事前に意識はしておらず、対局に勝った後に思い立って決断。積極的な選択をしました」と話した。
直近の公式戦が10勝以上かつ勝率6割5分以上の受験基準を満たし、資格を獲得。編入試験は新人の棋士5人と対戦し、3勝すれば合格となる。「四段になりたての方々ということで、勢いも実力もあると認識している。対抗できるように準備することが大事だと思う」と語った。
将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なり、棋士になるには養成機関の奨励会を卒業するか、編入試験の合格が条件だ。西山はかつて奨励会でプロ目前の三段まで昇段。19~20年にかけて行われた第66回三段リーグでは14勝4敗の好成績を収めたが、昇格枠「2」に届かず3位でプロ入りを逃していた。
21年4月に退会し女流棋士に転向。“剛腕”の異名を持つほどの力強い指し手を武器に実績を積み重ね、プロ棋士挑戦の道が再び開けた。「他の女性の方々が応援してくださったり、励みになったと言ってくださるかたもいて、そう捉えていただけるなら光栄なこと。できることをしっかりやって臨みたい」と前を見据えた。
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