杉浦悠太 首位堅守で大会初出場V見えた！池田勇太以来、日本勢2人目の快挙に期待

＜日本プロ選手権・第2日＞11アンダーでホールアウトし、ギャラリーの声援に応える杉浦悠太（撮影・井垣　忠夫）

　◇男子ゴルフツアー　日本プロ選手権第2日（2024年7月5日　岐阜県・富士カントリー可児C志野＝7164ヤード、パー71）

　ツアー本格参戦1年目の杉浦悠太（22＝フリー）が6バーディー、1ボギーの66と伸ばし、通算11アンダーで首位を維持した。大会初出場での優勝となれば、記録が残る85年以降では09年池田勇太以来の日本勢2人目。日大時代の昨年11月のダンロップ・フェニックスでのアマVに続くプロ初勝利を狙う。蝉川泰果（23＝アース製薬）と清水大成（25＝ロピア）も66をマークし、3人が首位に並んだ。

　噴き出す汗を拭う杉浦は充実の表情を浮かべた。猛暑日となったこの日、ぐんぐん上がる気温と比例するようにバックナインでバーディーを重ねた。16番で10メートルを沈めると、パー5の17番は2オンに成功させてスコアを伸ばす。66をマークし、リーダーボードのトップの座を守った。

　「前半は全然フェアウエーに行かなくて難しかったけど耐えることができて、後半のスコアにつながった」

　昨年11月にアマ優勝を果たし、プロ転向した期待のルーキーだ。オフはアジアツアー2試合に出場。積極的に海外の試合に参戦し、実戦経験を積んできた。大学時代に試合で今会場を回った経験があり、当時は「ドライバーをどんどん打っていた」。だが、今週は1Wを握るのは7ホールほど。2日間でボギーは1つと、フェアウエーが絞られた難セッティングで“プロ仕様”のマネジメントが生きている。「これだけボギーが少なく回れるようになったのが一番の成長」と言った。

　私生活も変化がある。購入した白の高級ミニバンが今春に納車された。「今乗っている車が4月に届いて。プロになって、まだ全然稼げていない時だったんですけど…」と明かす。その春先の開幕から5戦連続でトップ10に入るなど、着実に実績と賞金を重ねてきた。その先に狙うはもちろん、プロ初優勝だ。

　今大会初出場で優勝をつかめば、記録の残る85年以降では09年の池田勇太以来の日本勢2人目。さらにプロ転向後12戦目での今大会制覇となれば最短記録にもなる。「取って優勝できるよう頑張ります！」。22歳のユウタは力強く宣言した。（中村　文香）

《蝉川　アルバトロス惜しい》

　○…史上最年少の日本タイトル3冠が懸かる蝉川がボギーなしの66と伸ばして首位をキープした。17番パー5で残り256ヤードの第2打を3Wでピンそば10センチにピタリ。もう少しでアルバトロスという会心の一打に「あれは完璧」とうなずいた。実は「ちょっと下っ腹が…」と現在ダイエット4日目で「高タンパク低脂質」をテーマに食事を選んでいる。おとといがしゃぶしゃぶで昨夜は寿司。「疲れがあんまりないんですよ」と、連日気温30度超えの中で好スコアに生きているようだ。3冠を達成すれば尾崎将司が持つ27歳の記録を更新する。報道で知ったという23歳は「燃えますね」と意欲十分だ。

《連勝狙うも遼悔し予選落ち》

　○…2戦連続優勝を目指した石川は72と巻き返せず、通算5オーバーの105位で今季2度目の予選落ちとなった。最終9番では第1打を大きく左に曲げてボギーフィニッシュ。「練習で出ないミスをしてボギーになったり。本当に、まだまだだなと感じた」と悔しがった。全米シニアオープンで2位に入り、開幕前日に帰国する強行軍だった藤田も127位で予選落ち。「最低限の目標がクリアできなかったのは残念。来週に向けてコンディションを整えたい」と語った。

　▼1位清水大成　ボギーを打ったりして悪い流れになりそうだったところをこらえることができた。（1イーグル、5バーディー、2ボギーの66）

　▼4位池田勇太　前半はあまり運が向かない中でもイーブンでターンできて後半は良い流れでやれた。暑いながらに。体力の限界です（笑い）。（復活を目指す38歳が好位置キープ）

　◆失格　弓削淳詩（32）が午前7時55分の第2ラウンドスタートに遅刻し失格となった。ゴルフ規則5.3aにより、5分以上遅れた場合は失格と定められている。大会によると、2アンダーの26位で終えた前日の第1ラウンド終了後から熱中症の症状があり、体調不良の影響で連絡をできなかったという。