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【内田雅也の追球】延長で許した決勝点は責められない 打線復調こそが優勝争いへのカギとなる

スポニチアネックス / 2024年7月6日 8時1分

延長10回、石井の暴投で進塁を許す

 ◇セ・リーグ 阪神1ー2DeNA(2024年7月5日 甲子園)

 延長10回表の決勝点は石井大智が失った。暴投がからんでいた。無死一塁、牧秀悟を追い込みフォーク、スライダーと2球連続でワンバウンドとなった。ともに梅野隆太郎が体で止めた。

 1球目は右手に当たって負傷、ベンチ裏で手当てして戻った。2球目のワンバウンドは止めたのだが、一塁走者タイラー・オースティンに二塁に進まれたのだった。

 牧二ゴロの1死三塁から佐野恵太に二遊間突破の中前決勝打を浴びたのだった。

 石井は前夜(4日)の広島戦(マツダ)でも3―3同点の8回裏2死満塁からワンバウンドの暴投で決勝点を失っていた。2試合続けて手痛い暴投となった。

 石井の持ち味は150キロを超える速球とともに落ちる球にある。フォークに縦のスライダー、ナックルカーブ……と落ちる球はワンバウンドになることが多い。これも投球術の一つである。

 大リーグには「ボールを土に着ける」といった言い方がある。投手がよく低めを突いているという意味でほめ言葉として使われる。野茂英雄がドジャース入りした1995年当時、監督トミー・ラソーダがよく使った。野茂は得意のフォークでワンバウンドを放るのが仕事で、それを止めるのが捕手マイク・ピアザの仕事だった。

 ワンバウンドを恐れていては投球が高く浮いて痛打される。バウンドは避けられない。梅野や坂本誠志郎の体を張った捕球術があり、成り立っていた。現実に石井の暴投は前夜が今季初めて、この夜が2個目だった。

 暴投は痛いが、石井も梅野も責められない。これまでどれほど貢献してきたことか。問題はやはり打線である。

 DeNA先発のアンドレ・ジャクソンには前回対戦(6月21日・甲子園)で6回2/3を無得点、この夜も6回を無得点に抑えられた。

 5回裏1死三塁では得点圏打率リーグ2位(3割1分1厘=4日現在)の近本光司が高めボール球を振って三振に倒れた。苦悩か、焦燥か。今の打線を象徴するようなシーンだった。

 試合前、甲子園には夏空が広がり、強い浜風が吹いていた。本格的な夏がやってくる。投手陣に疲労も出てくる。当たり前だが、打線復調こそが優勝争いへのカギとなる。5割となってまた出直しである。何度でも出直せばいい。 =敬称略=

 (編集委員)

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