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鹿島FW師岡師生 プロ初ゴール「きつい時期を乗り越えたから今がある」

スポニチアネックス / 2024年7月7日 5時0分

<Jリーグ 鹿島・札幌>後半、鹿島・師岡が先制ゴールを決める(撮影・沢田 明徳)

 ◇明治安田J1リーグ第22節 鹿島2―0札幌(2024年7月6日 カシマ)

 鹿島のFW師岡師生(23)が6日の札幌戦でプロ初得点を決めた。0―0の後半16分に試合の均衡を破る先制弾。今季途中からレギュラーに定着した大卒2年目のアタッカーが、5試合ぶりの勝利をチームにもたらした。

 吹っ切れたような一撃だった。後半16分。ペナルティーエリア内にいた師岡に、FW鈴木優磨から絶妙なパスが通る。迷いなく右足を振り抜き、豪快にネットを揺らした。「あまり覚えていないですけど、とにかくうれしかった」。J1通算20試合目で、待望の瞬間が訪れた。

 前半は再三のチャンスを迎えるも、ゴール前の精度と冷静さを欠いた。37分の決定機で放ったシュートは右ポストに直撃。「前半で交代かな」と正直に振り返り、後半は「足を思い切り振ろう」と腹をくくった。ゴールの直前、鹿島ベンチでMF藤井智也が交代の準備を進めているのが目に入った。事実上のラストプレー。結果を残した直後にピッチを退き、「危なかったです」と息をついた。

 紆余(うよ)曲折の道のりだった。東京国際大4年夏に磐田内定が決定。だが、クラブは契約規則違反で国際サッカー連盟から処分を受け、師岡の仮契約も解除された。「ショックと言えばショックだった。でも仕方がないのかなと思っていた」と当時を振り返る。

 進路が白紙になった約1週間後。いち早く鹿島から正式オファーが届き、常勝軍団の一員になることが決まった。ルーキーだった昨季は、負傷離脱もあり出場は4試合。今季序盤もベンチ外が続き、練習でサブ組のボランチを務めていた時期もある。「今までいろんなことがあったけれど、きつい時期を乗り越えたから今がある」。愚直に過ごしてきた日々が、ようやく実を結んだ。

 同い年のMF佐野海舟は今夏、ドイツ1部マインツに移籍。「もっともっと上にいかないといけない。自分も負けられない」と強い刺激がある。5試合ぶりの勝利で2位をキープしたチームは、勝ち点5差で首位・町田を追う。「これから点を取れるように頑張っていきたい。タイトルを獲るには決めていかないと」。決意を新たにした師岡が、逆転優勝への起爆剤になる。

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