阪神・野口 2軍の甲子園戦で“リハ” 大ファンの登場曲が緊張を楽しさに変えた

＜神・D＞5回、野口は度会が打球を後逸する間に三塁へ進む（撮影・岸　良祐）

　◇セ・リーグ　阪神6－5DeNA（2024年7月7日　甲子園）

　【記者フリートーク】野口には豪快で、ちょっと能天気なイメージがある。フルスイングを身上とし、試合前の円陣ではチームメートを笑わせる。しかし、内面は違った。「俺、意外と“気にしい”なんよね」。春季キャンプの対外試合では「お客さん全員に常に見られている感覚だった」と極度の緊張でプレーが縮こまった。

　そんな野口が、緊張を楽しさに変えられた瞬間があった。5月に甲子園で行われた2軍戦。「大ファン」と語るTWICEが歌う登場曲に乗って打席に立つのは格別だった。

　「あの時は緊張もなく、ただ楽しかった」

　その時、野口はこぼした。「あれが1軍の甲子園で、登場曲が流れたらどんな感じなのかな」。“エア素振り”しながら口にした理想は、記念すべき第一歩とともに現実に。4万2000人の前で堂々とプレーする野口の姿は「気にしい」とはほど遠く、大きく見えた。（阪神担当・松本　航亮）