ドジャース・大谷 2盗塁で今季メジャー最速20発20盗塁 史上2人目の400塁打&30盗塁も射程圏

＜ドジャース・ブルワーズ＞4回、三盗を決める大谷（撮影・西尾　大助）

　◇ナ・リーグ　ドジャース2ー9ブルワーズ（2024年7月7日　ロサンゼルス）

　ドジャースの大谷翔平投手（30）は7日（日本時間8日）、ブルワーズ戦の3回に中前打を放ち、前半戦221塁打の球団新記録を樹立した。直後に2盗塁を決め、今季メジャー最速で20本塁打以上＆20盗塁を達成。移籍1年目の今季も記録ラッシュ。年間393塁打ペースとし、97年のラリー・ウォーカー（ロッキーズ）以来、史上2人目の400塁打＆30盗塁以上も視界に捉えている。

　右足をオープンに開く対左投手用の構えから、大谷は素直にバットを払った。15年サイ・ヤング賞の36歳左腕カイケルの外角シンカーを捉え、中前打。球宴まで6試合を残し前半戦の221塁打は、19年のベリンジャー（現カブス）を抜いて球団新記録となった。エンゼルスに在籍した昨季は自己最高で歴代16位の226塁打で折り返したが、前半戦残り6試合で更新する可能性は高い。

　直後のスミスの3球目に二盗を狙って悠々セーフのタイミングだったが、スミスが守備妨害でアウト。それでも諦めず、続くフリーマンの2球目に今季19盗塁目の二盗に成功。盗塁について「スタートを切るタイミングと勇気が一番」と語るが、4番T・ヘルナンデスの3球目にはその勇気を持って2年連続20盗塁目となる三盗にも成功した。今季メジャー最速で20本塁打以上＆20盗塁に到達。前半戦での「20―20」到達は球団史上3人目で、昨季の20盗塁にもう並んでみせた。

　今季は4月に松井秀喜の日本選手最多のメジャー通算175本塁打を超え、6月には10試合連続打点の球団最長記録を樹立。さらに前夜は1試合で複数四球、死球、三塁打、盗塁、本塁打をマークした史上初の珍しい快挙を達成した。この日はメジャー通算200本塁打に王手をかけた一戦で、試合前にデーブ・ロバーツ監督は「翔平の新しい記録を聞くことに慣れてしまっている。毎日何か違うことが起きている」と語った通り、記録ラッシュが止まらなかった。

　打率.314に下げてパドレス・プロファーに抜かれリーグ2位に後退したが、年間49本塁打＆35盗塁ペース。日本選手初のトリプルスリー、3冠王はもちろん、メジャー史上初の「50―30」も射程圏だ。年間393塁打ペースで、97年に409塁打＆33盗塁を記録したウォーカー以来、2人目の400塁打＆30盗塁も視界に入る。

　8日（日本時間9日）のオフを挟み、9日（同10日）からは今季最高勝率.644のフィリーズに敵地で挑む。ポストシーズンで戦うことになりそうな強敵との前哨戦。日本選手初の200号で、再び歴史に名を刻むか。（ロサンゼルス・柳原　直之）

　▽97年のラリー・ウォーカー　打率.366、49本塁打、130打点、33盗塁で本塁打王に輝き、カナダ出身選手で初のMVPを受賞。あと6厘、10打点で3冠王を逃した。塁打数を稼ぐ選手は長距離砲タイプで盗塁数が伸びないことが多いが、自身唯一の400塁打超えの409だけでなく、機動力も発揮。あと1本塁打で史上初の「50―30」だった。

　▽塁打　単打は1、二塁打は2、三塁打は3、本塁打は4として合計で求める。塁打数を打数で割ると長打率になる。歴代最高は1921年ベーブ・ルース（ヤンキース）の457。