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「令和の夏」の野球観戦は危険と隣り合わせ 素敵な夏の思い出にするためには暑さ対策が不可欠

スポニチアネックス / 2024年7月9日 7時3分

<高校野球 東西東京大会開会式>入場行進が行われる明治神宮野球場(撮影・松永 柊斗)

 暑い。言ってもてしょうがないのは分かっているが、口に出さずにはいられないぐらいの暑さだ。まだ7月上旬。梅雨も明けていないのに…なんて考えると余計に気が滅入る。

 酷暑の中、夏の甲子園出場を懸けて全国各地で球児たちが熱戦を繰り広げている。記者が担当するヤクルトの本拠地・神宮球場も東西の東京大会の舞台。プロ野球の試合がなかった8日も2試合が行われた。

 球場に応援に駆けつける保護者やご家族らも気合が入っている。そろいのTシャツや応援タオル、メガホンなどでバッチリ決めて、選手よりも緊張した顔で白球を追いかける親御さんも。手塩にかけて大切に育てた子供の晴れ舞台。気持ちが入るのも無理はない。だが、忘れないでほしい。「令和の夏」の野球観戦は危険と隣り合わせだということを。

 プレーに一喜一憂しすぎると、危険な暑さにさらされていることを忘れがちになる。応援の最中に具合が悪くなってしまう人も少なくない。スポーツ観戦時の熱中症対策の重要性を訴えるのは、いまきいれ総合病院救急総合診療科の三宅健治医師(59)だ。

 「急激に症状が表れるのが熱中症の特徴。症状が出てからでは遅いんです」

 救命医としてのキャリアが長い三宅医師は、これまで数え切れないほど熱中症で搬送されてきた救急患者を診てきた。「大量の汗をかき、体に力がはいらなかったり頭痛がしたり、急に汗をかかなくなったり。症状は人それぞれですが、前兆がなく突然さまざまな症状が出て動けなくなってしまう。高齢者や子供は命の危険性がある」と警鐘を鳴らす。

 記者も5年前、取材中に熱中症で倒れて病院に運ばれた経験がある。めまいがしたと思ったら全身の毛穴から汗が噴き出した。「やばい、やばい…」と思っているうちに足に力が入らなくなり、あっという間に意識を失った。今でも思い出すだけでもゾッとする。

 高齢者は特に気をつけてほしい。かわいい孫の応援に足を運ぶおじいちゃん、おばあちゃんも多いと思うが「年齢が上がるにつれて温度の感じ方が鈍くなる。体力に自信がある人でも、皆さん倒れてから“もっと気をつければ良かった”となる。日陰にいたとしても、これだけ気温が高いと屋外にいる時点で危険。頻繁に休憩をとって体を冷やし、こまめに水分を補給する。水だけでは低ナトリウム血症になってしまう恐れがあるので、経口補水液がベスト。長時間におよぶ時は1本では足りません。屋内競技の応援も同様です」と三宅医師。

 勝っても負けても、いつかは全てが思い出になる。選手はもちろん、応援する人たちにとっても、素敵な夏の思い出にするためには暑さ対策が不可欠。「令和の夏」に一昔前の感覚は通用しない。(記者コラム・重光 晋太郎)

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