1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

横浜隼人・沼井 初登板148キロ!3失点完投 父はナイジェリア人「第二の母国」アフリカの星になる

スポニチアネックス / 2024年7月10日 5時2分

<横浜隼人・鶴嶺>3失点完投した横浜隼人・沼井(撮影・村井 樹)

 ◇第106回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 横浜隼人6-3鶴嶺(2024年7月9日 BP相石ひらつか)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は9日、17大会で97試合が行われた。神奈川ではプロ注目の横浜隼人の最速150キロ右腕・沼井伶穏(れおん)投手(3年)が、10安打を浴びながら最速148キロをマークし、3失点完投勝利で3回戦進出に貢献。ナイジェリア人の父を持つ1メートル86の大型右腕が、集まった11球団のスカウトに猛アピールした。

 野球人生を懸けた沼井の、最後の夏が始まった。今夏初登板で10安打を浴びながら3失点、152球の熱投で完投勝利。9回1死一、二塁から外角直球で二ゴロ併殺に仕留め、両手を強く握り何度も吠えた。

 はるか1万キロ以上離れたアフリカの子供たちのために――。小6の時、テレビで痩せ細ったアフリカの子供たちの姿が流れるユニセフのCMを見て、自然と涙が止まらなかった。ナイジェリアが父・フライデー・カヨデさん(55)の母国。小1で両親が離婚したため、母・愛さん(46)と過ごしてきたが「僕にとってナイジェリアは第二の母国です」と言う。12歳だった少年は号泣しながら「アフリカに水道を通すためにプロになる。そしてメジャーへ行く」と母に宣言。幼少期から始め、小学生時代に都大会8強の実力だった剣道をやめ、野球に全てを懸ける決意を固めた。

 高校は甲子園常連校からの誘いもあったが「強豪を倒して甲子園に行きたい」と横浜隼人を選択。入学当時は130キロだった球速は、食トレや走り込み、瞬発系のトレーニングを多く取り入れ最速150キロまで上がった。1メートル86、85キロまで成長した姿はプロも注目する存在となった。7日の1回戦は登板がなく、この日が夏初マウンド。「調子は悪かったけど、試合はつくれました」。11球団36人のスカウトが視察し、楽天・後関昌彦スカウト部長は「大化けする可能性もある。運動能力は高い」と評価した。

 母が「優しく穏やかに育って」との思いを込めて付けた伶穏(れおん)の名。願い通りに成長したが「ここぞでメラメラなれるようにグラブは赤にしました」と勝負魂を燃やす。「母への感謝もありますし、高卒でプロに入るために自分の価値とレベルを示す大会にもしたい」。たくさんの思いを込め、激戦神奈川を戦い抜く。(村井 樹)

 ◇沼井 伶穏(ぬまい・れおん)2006年(平18)7月16日生まれ、神奈川県出身の17歳。小5から青葉ドリームスで野球を始めた。谷本中時代は中本牧リトルシニアに所属。横浜隼人では2年春からベンチ入りした。憧れの選手はパドレス・ダルビッシュ。50メートル走6秒1。1メートル86、85キロ。右投げ右打ち。

 ▽ナイジェリア アフリカ大陸西南部に位置し、正式名称はナイジェリア連邦共和国。面積は約92万平方キロメートルで、日本の約2・5倍。人口は世界第7位の2億1140万人(22年時点)。1960年の英国からの独立後、民族対立などを背景としたビアフラ内戦(67~70年)が勃発。250以上の民族が混在する多民族国家とされる。南西部のラゴスが首都だったが91年に国中央部のアブジャに遷都。アフリカきっての原油国として知られる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください