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故障のエースにつなぐ――市尼崎「あと1人」で背番号1が登板 大歓声に「みんなが舞台を…」

スポニチアネックス / 2024年7月10日 19時12分

<市尼崎・東灘>9回二死から5番手で登板した市尼崎・滝本(撮影・中辻 颯太)

 ◇第106回全国高校野球兵庫大会 2回戦 市尼崎6―2東灘(2024年7月10日 姫路)

 16年夏以来の甲子園出場を目指す市尼崎が東灘を6―2で下して初戦を突破した。

 6―2の9回2死無走者で背番号1の滝本陽呂(ひろ=3年)が救援した。

 登板が告げられると、観客席の仲間からは一際大きな声援が送られた。

 先頭に四球を与えるも続く打者を空振り三振に仕留めて、「みんなが投げる舞台をつくってくれた。思い切って投げようと思った」と振り返った。

 リハビリ期間を経てぶっつけ本番で臨んだ登板だった。背番号1を与えられた春季大会直前に右肘を痛め、右肘の疲労骨折と診断された。

 ノースロー期間は黙々と走り込み、夏初戦の3日前に投球練習を再開したばかりだった。

 故障後初の対打者への登板が夏本番となり、椎江博監督は「故障で全然投げられていなかったけど、ようやく投げられるようになった。(3年生投手)全員を投げさせてあげたかった」と説明した。

 ベンチ入りした3年生投手4人全員が登板。最後のバトンを受け取った滝本は、「投げられていなかったのに背番号1をいただいた。完全燃焼し、最後は笑って終われる夏にしたいです」と恩返しを誓った。

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