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神戸国際大付が固い絆で難敵・滝川を撃破 今夏絶望のプロ注目右腕・津嘉山を甲子園へ

スポニチアネックス / 2024年7月12日 5時31分

<滝川・神戸国際大付>7回、暴投で生還した武岡(手前中央)を笑顔で迎える津嘉山(後左から5人目)ら神戸国際大付ナイン(撮影・中辻 颯太)

 ◇第106回全国高校野球 兵庫大会2回戦 神戸国際大付6―4滝川(2024年7月11日 明石トーカロ)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会が11日、各地で開催された。兵庫では、神戸国際大付が逆転勝利で初戦を突破して3回戦へ進出。プロ注目の最速148キロ右腕・津嘉山(つかやま)憲志郎(3年)が故障で登板できない状況で、150キロ右腕・新井瑛太(2年)を擁する滝川に競り勝った。

 県内屈指の好右腕、神戸国際大付・津嘉山は2度マウンドに向かった。投手ではなく伝令役として――。「焦らずに一個ずつアウトを取ろう」と伝えた。右肘痛の影響で今夏の登板は絶望的。同点の2回2死一塁から救援した背番号10の中村稀人(きつと=3年)が「みんなで力を合わせて津嘉山を甲子園に連れて行く」と力を振り絞った。被安打4で7回1/32失点の好救援。逆転勝利に貢献し、ベンチで見守る背番号1を笑顔にさせた。

 津嘉山は入学当初からエース格としてフル回転。1年夏は4回戦からの5連投で準優勝に導き、一躍注目を集めた。6試合のうち4試合に登板した2年夏は報徳学園との5回戦を2失点完投勝利で勝ち抜き、準決勝で敗退。どれだけ投げ続けても、甲子園に立てずにいた。

 同学年の奮闘を観客席で見つめてきたのが中村だった。「自分もグラウンドに立ちたかった。でも、報徳学園相手にあの投球ができる津嘉山は、さすがだな…と思っていた」。津嘉山は寮で同部屋の中村を「野球が大好きで、野球への関心が高い選手」と表現。スプリットが2人共通の持ち球で、握り方などを教え合ってきた。6―4の9回2死無走者で空振り三振を奪った決め球がスプリット。2人の絆は難敵撃破につながった。

 主将を務める津嘉山は代打などでの出場に備え、中村は「津嘉山がベンチにいるだけでチームの士気が上がる」と強調した。一丸でエースを甲子園に連れて行く戦いが始まった。 (河合 洋介)

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