姫路東がシード校の西脇工を撃破 エースの曽我は176球完投に落涙「16強まで駆け上がりたい」

＜西脇工・姫路東＞　先発し完投した姫路東・曽我　（撮影・亀井　直樹）

　◇第106回全国高校野球選手権兵庫大会　2回戦　姫路東4ー3西脇工（2024年7月13日　高砂）

　姫路東がシード校の西脇工を延長戦の末に破り、3回戦に進出した。勝利が決まった瞬間、エース右腕で主将の曽我俊輔（3年）は大粒の涙を流した。苦しかった試合を制した安堵（あんど）感と、懸命に守ってくれたナインへの感謝の思いが詰まっていた。

　「タイブレークに入る前に監督さんから“代わるか”って聞かれたんですけど、自分が絶対に抑えようと思って“行きます”と直訴しました」

　シード校を相手に試合を優位に進めた。6回に井上暖翔（2年）の先制二塁打と曽我の2点三塁打で3点を先制。試合前のミーティングで「相手はシードなんで勝たないといけないというプレッシャーがあると思う。自分らは失うものはない」と話していた通りの展開に持ち込んだ。

　だが、勝利目前の9回裏、シード校の意地を見せられた。3安打と四死球に失策も絡んで一挙に同点。タイブレークの延長戦に突入した。

　曽我は10回裏2死一、三塁のサヨナラ機を三振で切り抜けると、11回表に4番・岩本創二朗（3年）の適時打で挙げた1点を守り、176球で完投した。

　先輩の思いも背負って投げた。昨夏は3回戦でエース右腕・目木が2安打で完投も、0―1で神港学園に惜敗。二塁手で出場していた曽我は、目木から「これで投げてくれ」とグローブを託されていた。「先輩らと勝てなかった悔しさっていうのもあったんで、絶対に去年の反省を生かそうと思った」と2年越しの勝利にうなずき「春の敗戦の後からベスト16を目標に立ててやってきている。このまま16強まで駆け上がりたい」と意気込んだ。