ソフトバンク・牧原大 1軍合流で低調打線の起爆剤に 今季初3カード連続負け越しの苦境救う

ソフトバンク・牧原大

　◇パ・リーグ　ソフトバンク1－3日本ハム（2024年7月14日　エスコンF）

　ソフトバンクは14日、日本ハム戦で逆転負けを喫し、小久保裕紀監督（52）は就任後初の3カード連続負け越し。15日の2位ロッテ戦（みずほペイペイドーム）から牧原大成内野手（31）の1軍復帰を決断した。4月下旬に右内腹斜筋損傷で離脱したが、2軍戦では打率4割超と完全復調。7月は3度の零封負けなど、打線低調で3勝7敗と苦しみ、2日時点で最大12・5ゲームあった差は7になった。苦境を背番号8が救う。　

　小久保ホークス初となる3カード連続の負け越し。6月最終の3連戦で3連勝した日本ハムに2日連続で今季11度目の逆転負け。これで7月の10戦は3勝7敗だ。小久保監督は試合後「我慢の月やね、7月は」とぼやいたが、その時すでに切り札の招集を決めていた。4月28日に右脇腹痛で出場選手登録を抹消されていた牧原大をきょう15日ロッテ戦から1軍に合流させる。

　開幕二塁の牧原大の昇格に伴い、5月25日の巨人戦からの35試合で二塁を守ってきたドラフト3位ルーキー・広瀬が入れ替わるように2軍に戻る。この決断は背番号8が完全復帰できる証拠だ。この日のチームは6安打1点。7月10試合で3得点以下が8試合あり、2軍戦6試合17打数7安打の打率・412の打撃にも期待だ。

　カンフル剤が必要と思える敗戦だった。1―2の7回の攻防が勝敗を分けた。1死一塁で代走に出た周東が2死から31個目の盗塁に成功。甲斐の右前打で同点は確実と思われたが、右翼手の万波が本塁へストライク送球。「あの万波の送球。周東をあそこでアウトにできる。新庄監督が就任し、外野の守備力アップを見てきた。われわれも見習わないと」と指揮官。その裏、1死二塁、伏見の右前打をこの回、右翼に移った柳町の送球は一塁ベンチ側へそれる。「（送球が）それるならダイヤモンドの中。外にそれているようでは勝負にならない」。小久保監督はあえて相手守備と比較し、チームに凡事徹底を訴えた。

　チームは4カード連続で勝ち越しなし。7月2日に今季最大の29あった貯金は24。15日に福岡に戻り、2位のロッテと3連戦となる。牧原大は2軍戦で9回まで二塁守備をこなしていないままだが、流れを変える狙いもある。前半戦の最後の2位との直接対決。「ひたすら我慢。まだ、山場ではないです」と小久保監督。やや強気に言ってのけた裏には、帰ってくる牧原大への期待を感じさせた。（井上　満夫）