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阪神・植田 代走の切り札が満塁でプロ初三塁打の大仕事 外野の前進守備に「ラッキー」

スポニチアネックス / 2024年7月15日 5時19分

<中・神> 延長10回、植田は走者一掃の三塁打を放つ(撮影・須田 麻祐子)

 ◇セ・リーグ 阪神6―2中日(2024年7月14日 バンテリンD)

 足と守りのスペシャリストが、バットで大仕事だ。阪神・植田海内野手(28)が14日の中日戦で、2―1の延長10回2死満塁から左中間へ、プロ初の三塁打を放った。試合前時点でプロ通算7打点だった10年目の伏兵が、20年8月6日巨人戦以来2度目の1試合3打点。この回打者一巡の猛攻につなげ、同一カード3連敗を阻止した。きょう15日からの1・5ゲーム差で追う首位・巨人との伝統の一戦に向け、快勝で弾みをつけた。 

 試合は「なぎ」の様相を呈していた。9回を終えて1―1。84試合目で昨季を上回るリーグ最多、今季17度目の延長戦へ突入した。決着をつけるのは、近本か、佐藤輝か、それとも大山か――。9回1死に右前打した野口の代走で出場し、そのまま右翼守備に就いた植田の殊勲を、誰が想像できただろうか。

 「植田のが大きかったよ。1点(リード)でも岩崎いっとったけどなあ。そんなんおまえ、点入らんかったら加治屋やったから、大変なことなってたわ」

 延長10回に原口の適時打で2―1と勝ち越し、なお2死満塁。ここで飛び出した伏兵のプロ初の三塁打で3点を追加し、岡田監督からも大絶賛された。その裏、5点リードをもらって登板した加治屋が1失点し、なお1死二、三塁と攻められた。守護神・岩崎が締めて事なきを得たとはいえ、悪夢もよぎった一幕。虎将も認めた快打を、滋賀県出身の背番号62は関西弁全開で回想した。

 「原口さんがタイムリーを打って勝ち越してたので、ちょっと気楽に。“打てんくてもしゃあないわ”と思って(打席に)入った。外野めちゃくちゃ前やったんで、ラッキー」

 今季の先発出場は6月1日ロッテ戦のみで、主に代走や守備固めを託される。前日まで通算7打点だった職人が、1試合3打点の荒稼ぎ。試合終盤のしびれるシーンにも「プレッシャーはあんまり感じない」と平然。肝が据わった28歳の脳裏には、あの熱狂が今でも焼き付いている。

 14年9月12日。前日にプロ志望届を提出した当時近江高3年の植田は、甲子園の右翼席で阪神―広島戦を観戦した。阪神は2年目の藤浪が完投。打線も奮起し快勝した。

 降り注ぐ拍手喝采を聞き、隣にいた母・美奈子さんに「もし阪神に指名されたら、ああやって応援してもらえるんだね」と話しかけられると「阪神はないと思うよ…」と苦笑い。だが、翌月のドラフト会議でまさかの5位指名。いつかは自分が主役に――。プロ10年目、誓いを果たす充実の一年を送っている。

 「勝ちたいという気持ちがめちゃくちゃあったので、よかった」

 きょう15日は「海の日」。カレンダーより一日早く「海」が輝いた。(八木 勇磨)

 ≪2年ぶりの打点≫植田(神)の打点は22年7月13日巨人戦の8回左前適時打以来2年ぶり。ゲーム3打点は20年8月6日、巨人戦の4回2点打+8回押し出し四球で記録して以来4年ぶり2度目で、3点打と三塁打はともにプロ10年目で初めて。シーズン3打点は20年に並ぶキャリアハイになった。

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