阪神・原口が延長10回V撃 7月は代打で4打数3安打、好調“神様”が4併殺の悪い流れ断ち切った
スポニチアネックス / 2024年7月15日 5時19分
◇セ・リーグ 阪神6―2中日(2024年7月14日 バンテリンD)
阪神の併殺地獄を救ったのは代打・原口のバットだった。1―1で迎えた延長10回1死一、二塁。フルカウントから、中日・橋本の真ん中高め149キロ直球を左前へ運んだ。
「いい詰まり方をした。打った瞬間、落ちるかなという感覚があった。島田も難しい打球だったと思うんですけど、返ってきてくれてナイスラン」
続く近本が四球を選び、満塁となって植田の三塁打で二塁から4点目のホームを踏んだ。歓喜に沸くベンチ前では近本から「バモス!バモス!」と言われながらハイタッチを交わした。チームはこの試合で17年4月2日広島戦以来、7年ぶりとなる1試合4併殺を喫しており、好機をことごとくつぶす重苦しい展開。原口自身も併殺の可能性がある、塁が詰まった状況での打席だったが、しびれる場面での32歳の姿は、何よりも頼もしかった。
「やっぱり出る場面がね、そういう(好機)ところが多いと思っている。いい場面で結果が出ている」
これで7月は4打数3安打2打点。7日のDeNA戦で放った右前への同点適時打がサヨナラ失策を呼び、9日のヤクルト戦での左前打も逆転サヨナラへの好機を広げるなど、原口のバットがここぞで際立っている。
6月上旬。投手登録ながら打撃に定評のある西純に、自ら歩み寄って声をかけた。「打ちにいく時、右肘はどう使ってるの?」。相手が10歳下の後輩でも疑問に思うこと、技術向上のヒントになりそうなことは年齢差も関係なく聞く。09年の入団時から色あせない向上心も、代打で結果を残せる要因の一つだ。
「走者がいる場面で回ってくる時は、いつも必死のパッチでいきます。一つ勝って大きいと思うので、東京に行っていい試合をしたい」。15日からの宿敵・巨人との3連戦を見据えた原口。勝負を決める場面に備え、集中力を研ぎ澄ませる。(石崎 祥平)
○…阪神が延長10回に一挙5得点。イニング5得点以上は今季5月11日DeNA戦の3回6得点以来。延長イニングでは10年6月22日広島戦の延長11回6得点以来14年ぶり。
○…阪神の今季延長戦は6勝6敗5分けの勝率5割。17度目は両リーグ最多だが、2位中日と日本ハムの15度ほか9チームが既に10度以上と、全体で投高打低による延長戦頻発の傾向にある。チームでも22、23年のシーズン16度を早くも上回るペース。球団記録は42年の21度。2リーグ制以降では55、68年の20度があるが、更新する可能性は高い。
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