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木更津 中尾彬魂「ネヂネヂ打線」でシード校逆転撃破 大先輩のマフラー巻き方ちなみ天野監督命名

スポニチアネックス / 2024年7月15日 5時2分

<四街道・木更津>試合を制し、喜ぶ木更津の選手たち(撮影・松永 柊斗)

 ◇第106回全国高校野球選手権千葉大会2回戦 木更津6-2四街道(2024年7月14日 千葉県総合)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は14日、38大会で271試合(継続試合を含む)が行われ、千葉大会では木更津が四街道に6―2で勝利した。同校OBで5月に81歳で死去した俳優・中尾彬さんのトレードマークだった「ねじねじマフラー」から派生させた「ネヂネヂ打線」が粘っこい打撃を披露。木更津PR大使も務めるなど郷土愛にあふれていた天国の大先輩に、感謝の白星を届けた。

 ネチネチとボールに食らいつき、得点を重ねる。そんな木更津打線の姿を、天国の先輩も喜んだに違いない。昨秋に中央学院も破った強敵の四街道に快勝。天野徳夫監督は「持っているもの以上に選手が躍動してくれた」と目に涙を浮かべ「ネチネチいきたい。木更津らしく“ネヂネヂ打線”で。多くの人に見てもらえるように頑張ります!」と誓った。

 シード校を相手に初回に先制される苦しい展開。それでも各自が粘り、相手の先発右腕・麻生竜希(2年)に球数を投げさせた。4回に同点、6回に4番・小嶋博(3年)の犠飛で勝ち越すと、7回も2得点。この回までに麻生に105球を投げさせてノックアウトし、続く8回も2点を奪った。試合前、指揮官がナインにかけた言葉は「シード校が相手で苦しい状況になると思うが、楽しもう。ピンチを越えれば強くなれる」。その言葉を実践し、8安打で着実に6点を奪った。

 チームは特別な夏に臨んでいる。同校OBで木更津PR大使も務めた「ミスター木更津」こと中尾彬さんが5月に死去。名俳優でマフラーをねじったファッションもトレードマークだった中尾さんは自作の絵画を寄贈するなど強い母校愛があり、6月の文化祭では追悼の企画展も開かれた。そんな偉大なOBにちなみ、ネチネチと粘ることを掲げた「ネヂネヂ打線」で臨む今大会。各自が中堅方向に低いライナーを意識して練習してきた。10日の市川東との1回戦は勝利したものの飛球が多く、直前の3日間はより飛球を上げないための練習を徹底。天国の先輩に夏2勝目を届けた。

 主将の石井飛光(あすか=3年)は力を込める。「特出した選手はいないけど、粘り強くプレーできるところが強み」。次戦の相手はこれまた難敵の我孫子だが、変わらず、粘り強く戦う。中尾さんも愛してくれた郷土に笑顔を届けるために。(松尾 知香)

 ≪在学時バレー部≫中尾彬さんは木更津市出身で木更津の前身の木更津一出身。バレーボール部で主将も務めた。俳優としては「極道の妻たち」シリーズ、「アウトレイジビヨンド」、「翔んで埼玉」など作品の硬軟に問わず存在を示し、晩年はバラエティー番組でも活躍。こわもてと対照的なおちゃめなキャラクターで人気を集め、マフラーを首元からぐるぐる巻きにする「ねじねじ」がトレードマークだった。5月16日に心不全のため都内の自宅で81歳で死去。妻で女優の池波志乃(69)とはおしどり夫婦として知られた。

 ≪永井校長「部活動全般を応援してくれていた」≫スタンドで勝利を見届けた永井良美校長は中尾さんについて「絵画の寄贈の際は在校生と座談会を開いたりしてくださった。学校愛や郷土愛が強い人だった」と明かした。6月の文化祭での追悼企画展では中尾さんの経歴や母校との交流を紹介。当時の資料は現在も校内の資料室に展示されている。永井校長は「部活動全般の応援をしてくれていた。今日、勝つことができて中尾さんも喜んでくれるんじゃないでしょうか」と思いをはせた。

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