田辺“因縁対決”で市和歌山を撃破 完封の寺西「借りを返そうと思っていた」

＜和歌山大会　田辺・市和歌山＞田辺先発・寺西（撮影・平嶋　理子）

　◇第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦　田辺6―0市和歌山（2024年7月15日　紀三井寺）

　春夏連続出場を目指す田辺が昨夏代表の市和歌山を一蹴した。昨秋準々決勝では9―2の8回コールド勝利で選抜出場につなげ、今春準々決勝は延長10回タイブレークの末に3―6の競り負け。好敵手との3季連続対決を6―0で制し、エースの寺西邦右（ほうすけ）は「夏に借りを返そうと思っていた」と胸を張った。

　初回に自己最速を2キロ更新する143キロの直球を投げ込んで圧力をかけた。威力は最後まで衰えず9回2死では「最後は三振を狙って」と141キロで4個目の奪三振で完封を決めた。7回一死一、三塁と8回一死一、二塁をいずれも遊ゴロ併殺打で切り抜けた投球術も光った。

　春の選抜大会では1回戦で星稜（石川）に2―4で惜敗。悔しさを胸に「投手は体幹が大事」とウエートトレで鍛えた成果が出た。「耐久の冷水投手は意識します。耐久には負けたくない」。第一関門を通過し、春に続く晴れ舞台へ向けて進撃を始めた。