横浜・中山昭宏社長 「我々クラブが期待していたところには…」 キューウェル監督解任に言及
スポニチアネックス / 2024年7月16日 18時1分
横浜は16日、ハリー・キューウェル監督(45)を解任、後任にジョン・ハッチンソン・ヘッドコーチ(44)が昇格すると発表した。スポーツダイレクターを兼ねる中山昭宏社長(57)が横浜市内で取材に応じた。
「キューウェル監督を、お呼びすると決めた時に大事にしていたことは、まず1点目は、我々のアタッキングフットボールを理解して、そして継承してくれること。2点目は、それをさらに、あるエッセンスを持って進化させてくれる方。3点目は、その結果、高みを目指す。つまり、我々としては常に勝ってる集団になるということを選定する条件にしてまいりました。結果、今り返ってみると、キューウェル監督は、ここのアタッキングフットボールの理解というものは一生懸命理解しようとしてくれていました。ただ、一つ一つ、その3つを見ると、やはり我々クラブが期待していたところには少しずつ届いていないという現状があるという認識をしております」
主な一問一答は以下の通り。
――通告された時のキューウェル監督の様子。
「ピッチ上の真っ赤っ赤になった顔を想定されてるかもしれないが、極めて冷静だった。我々との会話も本当に冷静な中で行われていたので、もちろん彼が受けているショックがあったと思う」
――何が一番の決定打になったのか。
「監督の選定にはシティとの会話が当然ある。ACL準決勝まで終えて、いざJリーグに集中するという風になった時に、実はそれも手前のJリーグでもあまり勝ち方としては良くない場面があった。見方としては少し心配して見ていた時期がちょうどACL終わった頃。ちょうどその頃に町田に負けたり、鹿島に負けたりしている。勝ち負けがどうこうではないが、負け方みたいなところが、本来のマリノスのアタッキングフットボールが、できない理由がACLの疲れからきている部分と、そうではない部分があるというところの会話から始まっている」
――監督は暫定のままいくのか、後任を探すのか。
「今回の決定には、シティグループが入ってきているので、もう当然彼らは動いている。彼らがどのタイミングで候補の後任を見つけて来れるかっていうのも、今の時点では分かっていない。そのタイミングを見つつ、あとは一方で、ジョンでどれだけ我々が、アタッキングフットボールをきちんともう一度、原点に立ち返って戻せるかどうかみたいなところと合わせての検討になる。
――リストが上がってきてから、こちらで最終決定する?
「そうですね。そこはハリー監督を決めた時とまた同じことのプロセスだと思う」
――クラブとして看過できない部分があったことも要因の一つ?
「レフリーに対するクレームは皆さんよくご存知だと思うが、Jリーグの中で結構あって。名古屋戦で10人のまま。初めはあそこが結構大きかったが、彼にとっては。それ以来そういう行為が散見されることが増えてきたので、それに対しては私から正式に1回注意はした。そこに対して彼は『わかった、もうやらない』と言ってるんで、それからはレフリーを待ち構えていたみたいなことは、もう今はなくなっている」
――この事態を強化の責任者として、どう受け止めているか。
「私もずっと外でマリノスを見ていた人間なので、そんなにはない話。今回キューウェルを招へいして、いろいろな体制も含めて当然、王者奪還を目指していくっていう中でスタートしたシーズン。当然このタイミングで、このような解除があると全く考えていない。責任という意味だと、きちんとこれを立て直すということ。それをきちんと、皆さんも含めてステークホルダーの皆さんにきちんとそれをお見せして、ファン、サポーターの皆さんにも納得してもらえる状態にするのが、私がやらなきゃいけない一番の仕事」
――新戦力の検討について。
「今のスカッドで完全に足りてないところはないという認識をしている。我々のアタッキングフットボールをやるという意味では。ただ、また次のACLが9月から始まっていくので、その時の体制の持ち方は先日終わったACLの反省も踏まえて考えなきゃいけない。その理由は、今シーズン始まる時には当然ACLが来る前提で、マルチのポジションできる選手も含めて、ケガ人が去年多かったので、そういう反省点を入れた。まだそれだけでは足りていないところもあったので、そういう補強はやることになると思う」
――今シーズンの目標。
「Jリーグの中でACL。そこは狙いたいなと思う。常勝軍団であるっていう日本の言葉の裏には、それは獲りに行くってのは必要かなと思っている」
キューウェル監督は今季、セルティックのコーチから新任。現役時代は“オズの魔法使い”の異名を取った元スター選手で、強いカリスマ性を持つ。横浜でもクラブ最大の強み「アタッキングフットボール」を継承しつつ、昨季同様の4―3―3でも中盤の3人を逆三角形に配置した新システムに着手。だが攻撃に加わる枚数を増やした一方で、守備面で生まれた隙は最後まで修正できなかった。
ACLこそ準優勝したものの、リーグ戦では16年ぶりの4連敗を喫するなど振るわず、8勝5分け10敗で12位と低迷。シーズン半ばでチームを去ることになった。
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