【日本代表】落選にもめげずオフも自主練習 追加招集の木村星南「めちゃくちゃビックリ」

日本代表の宮崎合宿で練習に励む木村星南（C）JRFU

　◇ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2024　日本―イタリア（2024年7月21日　札幌ドーム）

　日本代表で9日に追加招集されたプロップ木村星南（せな、BL東京）が16日、合宿中の宮崎でオンライン取材に応じ、出場すれば代表初キャップとなる21日のイタリア戦に向けて「特別な感情はあるが、（出られるなら）求められることにフォーカスし、がむしゃらにプレーしたい」と意気込みを示した。

　東海大から22年4月にBL東京入りした木村はリーグを制した今季のチームで1番に定着。ベストフィフティーンにも選出されるなど代表初招集への期待が高まったが、ふたを開けてみればバックアップメンバーからも漏れた。シーズン中、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ（HC）から水面下ではアプローチがあったようで、本人も「少し（招集されると）感じていたが、結果、入れなかった」と語った。

　それでも世代別の代表歴が一つもなく、大学4年の春まで「週末にラグビーをやるらいの会社に行こうと考えたこともあった」という境遇からはい上がった男はへこたれなかった。まず関係者を通じて自らジョーンズHCに選外の理由説明を求めると、「体重が軽い。インターナショナルレベルのプロップはもっと大きくて動ける」とフィードバックをもらった。するとオフにも関わらずクラブハウスに毎日通い、増量とフィットネスの向上に着手。「体重は（シーズン中から）2、3キロ増えた」と成果が出始めたところ、「めちゃっくちゃビックリした」という追加招集の連絡を受けた。

　合宿に合流後は「こんなにしんどいんやと」と日本代表のトレーニングを厳しさを実感しつつ、本業と言えるスクラムに関しては「今まで組んできたスクラムとフォーカス（する点）はあまり変わらず、アジャストしていきやすかった。どんどん組んで、いい感触をつかめたられれば」と話す。元オールブラックスで現役を引退したばかりのオーウェン・フランクス・コーチとは「今朝も組んだ」と練習相手をしてもらいながら指導を受けているそうで、「肌で感じていることを伝えてくれるのでうれしい」と話した。

　13日のジョージア戦はメンバー外だったが、6、7月の5連戦の最終戦となるイタリア戦に向けては出場に意欲を燃やす。「27年（W杯）に向けて、ずっと呼ばれ続けたいなと思う。（思いは）強くなった」と木村。一般就職する寸前から代表に上り詰めた男が、まずは記念すべきファーストキャップをつかみ取る。