中畑清氏 「火の玉2世」巨人・大勢 守護神が完全復活

＜巨・神＞最後を締めた大勢（撮影・大森　寛明）

　◇セ・リーグ　巨人2－1阪神（2024年7月16日　東京D）

　【中畑清　視点】凄いな、大勢。3者三振で締めたというだけじゃない。10球投げたストライクのうちバットにかすったのは1球だけ。サイドスローから繰り出すMAX158キロの速球に145キロ前後のフォーク。完全復活と言っていいんじゃないかな。

　浮き上がるような真っすぐ。腕の角度は違うけど「火の玉ストレート」の藤川球児の全盛期を思わせる。前夜のOB戦、打ちごろの球で私に左前打を打たせてくれた最高の守護神。大勢が「火の玉2世」になって9回をビシッと締めれば「勝利の方程式」が見えてくる。8回はバルドナード。7回は中川、高梨、船迫の3人がいる。先発投手は6回まで頑張れば、勝ちパターンに持ち込めるのだ。

　ただ攻撃面には課題が残る。3回1死一、二塁から岡田が一、二塁間をゴロで破りながら二塁走者の大城卓は三塁でストップ。最初から本塁は諦めているようなプロらしからぬ走塁だった。取れるところでしっかり点を取らないと、大混戦を抜け出すのは難しい。