明石商の2年生右腕・横山康瑛「二刀流を目指したい」 投げては1失点完投、打席で5回に同点二塁打

＜兵庫工・明石商＞明石商の先発・横山は9回1失点で完投（撮影・後藤　大輝）

　◇第106回全国高校野球　兵庫大会4回戦　明石商3―1兵庫工（2024年7月17日　明石トーカロ）

　明石商・横山康瑛（2年）は9回145球を投げ抜き、淡々と勝利の列に向かった。「あまり感情的にならないように。冷静に」。初めて背番号1をつけた今大会の初登板。暴投の1失点だけに抑え、自在に操るスライダーを軸に6回まで毎回2個ずつ、計13三振を奪った。3番打者としても5回2死一、二塁から左翼へ同点二塁打。7回1死二塁では右前打で好機を拡大して決勝点を呼んだ。

　「後ろに先輩方がいるので、思い切って投げていった。中盤はいつも通りの投球ができた。暴投で先に点を与えてしまったので、バットで取り返そうという気持ちがあった」

　右翼で先発（途中から中堅）した2回戦は打順1番で3打数2安打1打点。狭間善徳監督の「この暑さで投げるから、ちょっと後ろ（の打順）で」という配慮で見送られた「1番・投手」にも「やりたい」と乗り気だ。「プロが目標。大谷（翔平）さんのように二刀流を目指したい」。公立校ながら西武・松本、巨人・山崎伊、ロッテ・中森ら好投手を次々に輩出した系譜を継ぐ存在になりそうだ。