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野球が持つ絆―“50年来の付き合い”BFJ山中会長と韓国・金寅植監督がエスコンFで旧交を温める

スポニチアネックス / 2024年7月18日 8時2分

全日本野球協会の山中正竹会長

 【伊藤幸男の一期一会】野球が取り持つ絆は国境を越えていくのかもしれない。

 プロ野球のオールスターに先立ち22日、エスコンFで「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」が開催される。両国のレジェンドが集う一戦を前に韓国・金寅植監督(キム・インシク=77)と、全日本野球協会(BFJ)の山中正竹会長(77)が歓談することになった。2人は「50年来の友達」と笑い合うが、事実は少し違う。

 2009年の第2回WBC準優勝など計3度、WBC韓国代表を率いた名将が「YAMANAKA」を認識したのは半世紀前以上だった。法大のエースとして1969年、東京六大学不滅の通算48勝をマークし、社会人・住友金属入り後もフル回転。71年のアジア大会(ソウル)では日本代表の大黒柱として準優勝に貢献した。

 山中会長の名声と実力は、韓国で頭角を表し始めた金寅植氏の耳にも届いていた。現役引退後も東京五輪・野球の強化本部長就任などのニュースを海の向こうで気に掛けていた。山中会長も複数の韓国プロ野球チーム監督を経て、後年は代表チーム指揮官として、日本と渡り合う卓越した手腕を認めていた。

 確かな記憶こそないが公の場での初対面は2014年、仁川(インチョン)でのアジア競技大会・野球に先駆けての大会運営委員会だったという。当時、韓国プロ野球・ソフトボール連盟(KBSC)技術委員長だった金寅植氏が、日本側の技術委員だった山中氏の姿を見つけると即座に「YAMANAKA」と声を上げ握手を交わした。韓国球界の重鎮が集う場内が静まりかえった。

 そこから節目節目の国際大会で韓国や日本を行き来しながら旧交を温め合った。いつしか「我々は昔から50年来の友達にしようね」。互いのリスペクトから自然に出た言葉だった。エスコンFでの再会は金寅植監督が熱望し、山中会長も快諾した。

 昨今、官民双方で複雑な外交問題が取りざたされる。日韓両国は近くで遠い国と言う人もいるが、2人の野球人は地道に友好を深めてきた。確かな足跡を踏んできた同い年の両雄だからこそ、醸し出せる関係性ではある。ただ言葉は全て通じなくても、野球の奥深さを感じあえば道は少しずつ開けていくのでは、と記者は感じた。

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