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ドジャース・大谷弾が直撃の6歳少年 検査で異常なし 帰国前に球場に招待、サインボールに笑顔

スポニチアネックス / 2024年7月19日 6時2分

5日の試合に招待されて大谷の直筆サインボールを手に笑顔のノブヨシくん(家族提供)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)の27号本塁打が頭部に直撃した6歳男児の父親がスポニチ本紙の取材に答え、その後の精密検査で異常が認められなかったことを明かした。打球直撃から3日後の5日には、ド軍からブルワーズ戦に招待された日本人の父子。大谷からは球団を通じ直筆サイン入りボールが贈られた。大谷は2日間のオフを挟み、本拠地での19日(日本時間20日)レッドソックス戦から後半戦がスタートする。

 ドジャースタジアムは大観衆がスタンドを埋め尽くしていた。熱気が立ち込め、隣の席の声も聞こえづらい状況だった。2日のダイヤモンドバックス戦。大谷が振り抜いた打球は右中間席の方向へ高々と舞い上がった。

 勢いよく落ちてきた打球を捕球しようと数多の手が伸びた。だが、その全てをすり抜け、ドジャースの帽子をかぶって上を見上げていた日本人の男児の額に直撃。男児はそのまま頭を押さえてしゃがみこみ、救急隊員により担架に乗せられた。

 東京からロサンゼルスへ、サマースクール参加を兼ねた父と6歳の息子ノブヨシ君の2人旅だった。担架に乗せられたノブヨシ君はアイシング袋をずっと額に当てていたが、話すことはできた。父親は「大丈夫と思います」と声を絞り出したが、その場にいる誰もが心配していた。

 幸いにも翌日の精密検査で異常は見つからなかった。そして、事態は思わぬ方向へ進む。ドジャース側から連絡が入ると、帰国前日の5日ブルワーズ戦への招待チケットの案内だった。ノブヨシ君の父親は本紙の取材に「ドジャース球団の方々には、私が息子を守れなかったことでご迷惑をかけてしまったにも関わらず、迅速に心温まるご対応をいただき大変感謝しております」と謝辞を述べた。

 さらに“ビッグサプライズ”があった。父子がドジャースタジアムに到着すると、球団スタッフを通じ、プラスチックケースに入れられた大谷の直筆サイン入りボールを贈られた。試合前のクラブハウスで大谷はボールにサインをして球団広報に手渡していた。大谷も容体を心配していた1人。球団を通じて無事を確認し、安心したに違いない。

 2人は7日に日本へ帰国し、ノブヨシ君は8日から保育園に元気に登園している。今回の件を機に、ノブヨシ君の野球熱はさらに高まり、テレビで大谷を見る度に「オオタニさんだ!」と笑顔を見せているという。父親は「これからも大谷選手の活躍、ドジャースの勝利を息子と楽しみにしています」と語り、ノブヨシ君は「オオタニさん、これからもホームランたくさん打ってね!」とエールを送った。(柳原 直之)

 ▽大谷の27号 2日のダイヤモンドバックス戦の7回無死一塁から、右中間席上段へ一時は逆転となる2ランを放った。打球速度112マイル(約180キロ)、飛距離433フィート(約132メートル)の一撃に、大谷は確信の3秒仁王立ち。5万2931人が集まった本拠にはMVPコールが響いた。二転三転した試合は1点を追う9回に2点を奪い逆転サヨナラ勝ち。大谷は「最後、ああやって逆転できて、チームの集中力も高かった」と充実の表情を浮かべた。

 ≪グッズを贈るのは「当然」≫大谷の本塁打の打球が男児の頭部を直撃したことは、米メディアでも大きく報じられた。周囲の大人がボール獲得に夢中になって子供に気を配らず、ニューヨーク・ポストは「恐ろしいシーンだ。若いファンを負傷させた可能性がある」と身を案じた。また「ドジャースが少年にグッズを贈るのは当然の成り行きだろう。それが上品な行動だ。MLBのスターが何をしてくれるか楽しみだ」と伝えたメディアもあったが、その通りの球団、大谷の行動だった。

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